Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

ダグラス・トランブル追悼

 

 

 

 『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』『ブレードランナー』等、SF映画の特殊効果で知られるダグラス・トランブル氏が亡くなられました。享年79歳。

 

 『2001年宇宙の旅』(1968年)のスターゲート、 『未知との遭遇』(1977年)のマザーシップ、『ブレードランナー』(1982年)の未来都市等々、氏が作り上げた映像は忘れ難いものばかりです。他に手掛けたのが 『アンドロメダ・・・』(1971年)、 『スター・トレック』(1979年)とくれば正にレジェンドの名に相応しい作品群ではありませんか。

 

 また、監督としても『サイレント・ランニング』(1971年)、『ブレインストーム』(1983年)の2作品を手掛けています。ブルース・ダーン主演の『サイレント・ランニング』は、植物を育てるドームを積んだ宇宙船を舞台にしたエコロジーSF。主人公と動きが愛らしい小型ロボットの関係が印象に残っています。どういう人脈かわかりませんが、本作にはマイケル・チミノが参加しています(共同脚本)。

 

 『ブレインストーム』は、人間の記憶や感覚を記録する機械を巡るお話で、バーチャル・リアリティーの先駆けみたいな作品でした。確か主人公(クリストファー・ウォーケン)が他人の「死」を追体験するのがクライマックスではなかったかな。キャスリン・ビグローの『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』(1995年)を見た時は、『ブレインストーム』みたいだなあと思った記憶があります。『ブレインストーム』は撮影中に出演者のナタリー・ウッドが不審死を遂げたことで、ハリウッド・スキャンダルの方で有名になってしまいました。

 

 近年はテーマパークや博覧会、イベント向けのアトラクション映像中心に活動していたようです。氏のお父さん(ドン・トランブル)は『オズの魔法使』の特撮マンだそうです。『スターウォーズ』シリーズ等のジョン・ダイクストラリチャード・エドランドは弟子筋に当たる人たちなんですね。今夜は『サイレント・ランニング』のラストシーン見ながら追悼しようかな。R.I.P.