Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『扉の影に誰かいる』(ニコラス・ジェスネール)

 

 ニコラス・ジェスネール監督『扉の影に誰かいる』(1970年)鑑賞。アンソニー・パーキンスチャールズ・ブロンソン共演のサスペンス映画。妻の不倫に悩む精神科医アンソニー・パーキンス)が、記憶喪失の流れ者(チャールズ・ブロンソン)を利用して浮気相手を殺害しようと計画するが・・・というお話。

 

 実質の主人公はパーキンスで、ブロンソンはパーキンスの策略に利用されそうになる記憶喪失の男を演じています。ブロンソンとしては『狼よさらば』以前のヨーロッパ時代(フランスでの『さらば友よ』『雨の訪問者』、イタリアでの『狼の挽歌』『ウエスタン』の流れ)の作品ですが、これは珍品の部類かなあ。アクションの見せ場がある訳でもなく、パーキンスに翻弄されオドオドウロウロしているだけで何とも情けないブロンソン。柄に合わないというか、「ブロンソン・・・何やってんの・・・」と言いたくなるような居心地の悪い映画でありました。(個人的には『正午から3時まで』や『禁じ手』も別な意味で「何やってんの・・・」でしたが)