Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『MGG Jazz Buddy 24th LIVE -MGG COMPLETE SERIES vol.6-』

 

I Told You So

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 昨日(4月3日)は、学生時代の友人Mさんが参加しているJAZZバンド、「MGG Jazz Buddy」のLIVEに行ってきました。『MGG Jazz Buddy 24th LIVE -MGG COMPLETE SERIES vol.6-』、千葉県教育会館大ホール(新館)にて。コロナ禍で約1年ぶりのLIVEだったそうです。

 

 LIVEは2部構成。第1部はスタンダード・ナンバー『MY BLUE HEAVEN(私の青空)』から、ガーシュインRHAPSODY IN BLUE』まで全7曲。久しぶりのLIVEとあって、演奏が始まると客席から大きな声援が上がりました。バンマス氏が(感染防止の観点から)声出しは控え、応援は拍手のみでお願いします・・・とMCをする一幕も。バンドメンバーが欠席を余儀なくされたり、コロナ禍の影響は避けがたくあるわけですが、演奏の方はそんな暗さは微塵もなく元気いっぱいでした。ムーディーな曲も良いけれど、個人的には「せわしない曲」と紹介された『PARISIAN THOROUGHFARE(パリの舗道)』のような軽快な曲が好きでした。高音を得意とするトランぺッターのメイナード・ファーガソン『A COUNTRY BOY』の時は、『ロッキー』『スタートレック』やってましたねとのMCあり。調べてみたら、『ロッキーのテーマ』はビル・コンティのオリジナルと別にファーガソンによるカヴァー版も大ヒットしたのですね。映画がらみで言うと、第1部ラストの『RHAPSODY IN BLUE』、個人的には反射的にウディ・アレンの『マンハッタン』を思い出します。映画に使われたオリジナルとは違い、こちらはビッグ・バンドらしい分厚い演奏になっていて、また雰囲気が違って興味深いものでした。友人のMさんは『THAT’S ALL』でソロを披露、元気な姿を拝見できて嬉しかった。

 

 今回のLIVEはカウント・ベイシーのアルバム収録曲を丸ごと演奏するMGG COMPLETE SERIESの第6弾とのことで、休憩を挟んでの第2部は、『I TOLD YOU SO』(1976年)を全曲演奏するという企画でした。解説によると『I TOLD YOU SO 』はベイシーのアルバムの中でも特に個性的な楽曲がラインナップされているとのこと。『Tree Frog(アマガエル)』から『The Git』まで全10曲、MCはA・B面の区切りまで入らず、曲の解説は背景に投影されるというスタイルでした。確かにバラエティーに富んだ楽曲が続き飽きさせません。中でも『Blues For Alfy』『Plain Brown Wrapper』『Ticker』の軽快な演奏が楽しかった。10曲目『The Git』はドラムがパワフルで格好良かったなあ。友人のMさんは『Blues For Alfy』で担当のサックスをフルートに持ち替えてソロを披露してくれました。

 

 映画ヲタとしての追記。第2部2曲目は『Flirt(フラート)』。『フラート』といえば、ハル・ハートリー監督のヒネった恋愛映画がありました。3曲目『Blues For Alfy』。アルフィーといえばマイケル・ケインだよね。8曲目『Too Close For Comfort』はジョージ・クルーニーグッドナイト&グッドラック』(2005年)で使用されていたとのこと。確かにあのモノクロの映像にぴったりハマりそうです。今度見直してみよう。

 

 アンコールは朝ドラで話題の・・・と『On the Sunny Side of the Street』を。ハッピー・エンディング。

 

 以前MGG Jazz BuddyのLIVEに行ったところ、客席で偶然にも学生時代の恩師と隣り合わせになったことがありました。彼らの得意とするビック・バンドJAZZは自分としては全然身近じゃない音楽というか、クラシック映画を楽しむような虚構性の高いジャンルなんだけど、先生は「青春時代の音楽だよ」と仰ってました。それを裏付けるように会場はJAZZファンらしき、比較的年齢層の高いお客さんが多かったと思います。のみならず今回は家族連れ、お子さんの姿も多かったような。ビック・バンドJAZZは気取らずリラックスして楽しめるところが魅力だと思います。演奏の合間にJAZZのLIVEなんて馴染みのないであろうお子様たちの声が聞こえるのも、そんな気楽さが良いなと思いました。次回は野外で、缶ビール片手に楽しめたらいいなと思います。Mさん、お誘いいただきありがとうございました!