Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『Los 4 golpes』(フランソワ・トリュフォー)

 今年はフランス映画の公開が凄いことになっていて、ロベール・ブレッソンの『たぶん悪魔が』『湖のランスロ』初公開、ジャック・リヴェット映画祭、シャンタル・アケルマン映画祭、ゴダール勝手にしやがれ』『気狂いピエロリバイバル、そして6月からは生誕90周年を記念したフランソワ・トリュフォー映画祭。新作もレオス・カラックスが『アネット』公開に合わせ来日したりとフランス映画界隈が盛り上がっています。首都圏在住のうちにこの恩恵に与りたいところなんですが、さていかにして時間とお金を調整するか悩ましいところ。とりあえず、トリュフォーは大好きな監督なんで、久しぶりに劇場通って見直したいなと思っています。

 

 遠山純生氏のTwitterで紹介されていたトリュフォーの短編『Los 4 golpes』(1962年)鑑賞。トリュフォーの監督作品は最初の自主映画『ある訪問』(1954年)以外は長編・短編全て見ていると思ってましたが、これは存在すら知りませんでした。遠山先生ありがとうございます。

 

 『Los 4 golpes』は仲間内のお遊びで撮ったような作品で、無声映画のコメディタッチ。主演はトリュフォー自身。『太陽がいっぱい』のマリー・ラフォレも顔を見せています。62年だから『二十歳の恋アントワーヌとコレット』の頃かな。せわしない軽さは『ピアニストを撃て』を思い出します。

 

 劇中にヒッチコックの『フレンジー』そっくりの絞殺(を演出する場面)が出てくるので、さすが後に『映画術』を共著するだけあってヒッチコック・オマージュもマニアックだなあ・・・と思ったら、『フレンジー』は本作の10年後、72年の作品なのでした。するとこの場面はいったい・・・。

 

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