Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『The Death of David Cronenberg』(デヴィッド・クローネンバーグ)

 デヴィッド・クローネンバーグの新作『CRIMES OF THE FUTURE 』(出演ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドウ、クリスティン・スチュアート)予告編がYouTubeにアップされていました。これがもうクローネンバーグ色全開で大興奮ですよ。折からアマプラに『スキャナーズ』『ブルード/怒りのメタファー』が入ってるわ、息子ブランドンの『ポゼッサー』やジュリア・デュクルノー監督『TITANE/チタン 』等明らかに影響を感じさせる作品が現れるわで、盛り上がります。

 

 で、YouTubeにもう1本『The Death of David Cronenberg』という1分くらいのショートフィルムを発見。クローネンバーグ自作自演のこのフィルムがどういう成り立ちの作品なのか不明ですが、クローネンバーグ映画主演の顔(クリストファー・ウォーケン、スティーヴン・ラック、ジェームズ・ウッズジェレミー・アイアンズピーター・ウェラーヴィゴ・モーテンセン・・・)の系譜、そのオリジンは監督自身の顔だったことがよくわかります。

 

 ちなみに新作『CRIMES OF THE FUTURE 』とは初期作品『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』(1970年)と同じタイトル。これは以前ビデオで出ていたので見たことがあります。サイレントの映像に延々ナレーションが流れる実験映画のようなスタイルで、お話は正直言ってよくわかりませんでした。化粧品が原因で女性にまん延した「ルージュ病」とか「足病学」とか「皮膚の家」といったネーミング、寒々しい映像、耳から白い泡を垂れ流す病気という粘液感覚はすでにクローネンバーグらしさに溢れていました。そこから52年、79歳のクローネンバーグがどんな「未来の犯罪」を描くのか楽しみです。