Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『キューブリックが語るキューブリック』

 

 

 BS世界のドキュメンタリーキューブリックが語るキューブリック』見る。フランスの評論家ミシェル・シマンによるスタンリー・キューブリックの貴重なインタビュー音声、マルコム・マクドウェル、マリサ・ベレンソン、トム・クルーズら出演俳優のインタビュー、代表作の名シーン等で構成されたドキュメンタリー番組。ブリッジの映像が、代表作のミニチュアセットだったりして凝ってた。

 

 キューブリックといえば、完璧主義で知られる巨匠。その作風は時に難解と評されたりするけれど、実は戦争映画、SF映画、史劇、風刺コメディ、ホラーといったジャンル映画ばかりなので、意外と入口の敷居は低め。映画ファンなら一度は通る道なんじゃないでしょうか。自分も、学生時代『フルメタル・ジャケット』公開時「キューブリックの新作を封切で見られる!」と興奮したっけ。

 

 キューブリックの作品は長編デビュー作『恐怖と欲望』(1951年)から遺作『アイズ・ワイド・シャット』(1999年)まで、わずか13本。番組で紹介されたのは『恐怖と欲望』『スパルタカス』『突撃』『2001年宇宙の旅』『博士の異常な愛情』『時計じかけのオレンジ』『バリー・リンドン』『フルメタル・ジャケット』『シャイニング』『アイズ・ワイド・シャット』。『非情の罠』『現金に身体を張れ』『ロリータ』には触れられていなかった。放映時間の都合でカットされてたりするのかな。キューブリックはインタビュー嫌いと言われる人なので肉声自体が貴重。本番組のインタビューでは別に難しいことは述べてなくて、映画作りに臨む姿勢を実直に語っている印象でした。『現金に身体を張れ』におけるジム・トンプスンとの仕事、いろいろあったであろう『ロリータ』の話なんかも聞きたかったところ。

 

 そういえば。中学時代の国語教師の顔がキューブリックに似ていた。目つき顔つきがそっくりだった。物凄く圧の強いオッサンで、怖かった思い出。どうでもいい話ですが。さておき、深夜に見ていたら、久しぶりに学生時代(素直な映画ファンの頃)に戻ったようで少し気分転換になりました。