Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

シネマ・クラブ、『ショットとは何か』、追悼 ジャン=ルイ・トランティニャン、とかその他

 トム・クルーズ主演『トップガン マーヴェリック』が各方面で高評価を得ています。映画にはほとんど興味のないうちの弟が夫婦で見に行ったと言っていたくらいなので、映画ファン以外にもアピールする話題性も高いようで、ちょっと気になります。気になるなら見に行けって話なんですが、公開当時見た1作目の印象がとても悪くてなあ・・・。でも今劇場で見ておかないと、この先ずっと見ない気もするし。話題の新作を劇場で見るという行為、評価が定まってしまう前の生の状態で新作に接するのはとても大事なことだと思いつつ、貴重な時間とお金を支払うに値する映画なのか、このご時世で戦争映画ってどうなの、とかあれこれ考えてつい二の足を踏んでしまいます。それはさておき。

 

 

 

 通勤電車で少しずつ読み進め、一週間ほどかけて蓮實重彦『ショットとは何か』読了。ドン・シーゲル殺し屋ネルソン』、ニコラス・レイ『大砂塵』から始まり、最後はデイヴィッド・ローリー『セインツ 約束の果て』。読者を映画鑑賞に駆り立てる魅力的な語り口は健在で、未見の作品は何とかして見たいと思いました。これって映画評論家としては満点じゃないですか。

 

 

 話変わって。先週土曜、友人のギニー師とオンライン飲みしました。師の提案で、今夜の飲み会のテーマは「シネマ・クラブ」。甲斐バンドの曲にあるだろ、と。いきなり甲斐バンドの話から始まりました。彼らは曲のタイトルに映画を使うことが多くて、思い出せるだけでも、「裏切りの街角」「らせん階段」「地下室のメロディー」「冷血」「三つ数えろ」「きんぽうげ」・・・。小林旭のカバー「ダイナマイトが150屯」なんてのもありました。映画タイトルの曲名は、ムーンライダーズに次いで多いかもしれません。ムーンライダーズといえば、オリジナルメンバーである椎名和夫氏は脱退後、甲斐バンドにアレンジャーとして参加してたっけ。飲み会は映画の話を中心に、音楽、仕事、子育て等々、約5時間ほど続きました。体調いまいちだったのと、飲みなれないトウモロコシ焼酎なんて飲んだせいか、泥酔してしまい後半は良く覚えていません。どんなふうにお開きになったか思い出せない・・・。何か失礼なこと言ったりしてないといいけど。で、翌朝目が覚めたら、布団も敷かず床の上に倒れてました。久々にひどい二日酔いで、夕方まで立ち直れなかった。楽しかったけど、ちょっと飲み過ぎた・・・。

 

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 話変わって。フランスの名優ジャン=ルイ・トランティニヤンがお亡くなりになりました。享年91歳。出演作の監督はロジェ・ヴァデム、ジャック・ドゥミクロード・ルルーシュアラン・ロブ=グリエ、ジュリオ・クエステイ、クロード・シャブロルセルジオ・コルブッチ、コスタ・ガヴラス、エリック・ロメールベルナルド・ベルトルッチルネ・クレマン、ロベール・アンリコ、ジャック・ドレー、フランソワ・トリュフォー、フィリップ・ラブロ、アンドレ・テシネ、アラン・タネール、エンキ・ヴィラル、クシシュトフ・キェシロフスキジャック・オーディアールパトリス・シェローミヒャエル・ハネケ・・・物凄い顔ぶれです。クソ真面目な仏頂面が妙な面白味をかもす俳優で、個人的には『日曜日が待ち遠しい!』(トリュフォー)、『殺しを呼ぶ卵』(クエスティ)、『殺しが静かにやって来る』(コルブッチ)、『モード家の一夜』(ロメール)、『暗殺の森』(ベルトルッチ)、そして『狼は天使の匂い』(クレマン)が印象的です。実は超有名な『男と女』が未見だったりするので、追悼に見てみようかなと思います。

 

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 話変わって。高田馬場ある映画館「早稲田松竹」は、昔ながらの「名画座」的プログラムで楽しませてくれます。現在やっているジャック・ドゥミ2本立てに続いて、7月には何と!ニコラス・ローグ2本立てが!『赤い影』『美しき冒険旅行』、レイトショーではローグが撮影を担当したトリュフォーの『華氏451』!素晴らしい。何とかして時間を作って馳せ参じたい。『トップガン マーヴェリック』ではあれほどくよくよ悩んでいるのに、こっちは即決ですよ。