Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『映像研には手を出すな!』第6集、第7集(大童澄瞳)

 

 夏休み3日目。今日こそは映画館へと思ってましたが、台風接近のニュースに外出取りやめ。今の住居は川が近くて、以前大雨で付近が冠水して大変だったことがあるので、無理して出掛けて帰れなくなったりしたらまずいなと。仕方なく、部屋の片づけをしたり、家族で『天空の城ラピュタ』見たりしながらダラダラと過ごしてしまった。ああ、ロミー・シュナイダーよ・・・早く『地獄』見たい・・・。

 

 そんなわけで、今日は一日引きこもっていたので久しぶりに漫画をたっぷり読みました。積読が大分片付いたのは良かった。読んだのは、     

 

『映像研には手を出すな!』第6集、第7集(大童澄瞳) 

 『映像研』は、ここ数年で最も気に入っているコミックです。アニメ版も最高だった。第6集と第7集を読む。いやあこれはこれは。さらにパワーアップしていて嬉しくなりました。新キャラ桜田も面白い。第7集では新キャラ桜田の突っ込みとライバル登場などで登場人物たちに外向きのベクトルが生まれていて、続きが楽しみ。アニメ版第二期も十分ありだと思うなあ。期待したいところ。

 

 

 

『東京怪奇酒』(清野とおる

 清野氏お得意のルポ漫画で、本作は心霊スポットで酒を飲むという企画。面白い。氏が平山夢明のエッセイで文章に勝るとも劣らない過剰なオーラを放つイラストを描いていたのを思い出した。              

 

 

 

『水曜日のシネマ』(野原多央)

 映画を題材にしたコミックや小説を見つけると、作中で映画がどのように扱われているのか、どんなタイトルが出てくるのか、とても気になる。これもそんな流れで手に取って、タイトルに惹かれて買ったもの。1・2巻読んでみましたが、これはまあ何ともはや、大文字の「映画」の受け止め方は人それぞれなのだなあと改めて思いました。このコミックに描かれたような受け止め方が大多数なのだろうか。こんなに素直に(無邪気に)色んなことが信じられるのは羨ましいと思うが、俺にはもう後戻りは無理。このコミックは異界のファンタジーにしか見えんかったなあ。

 

 

 

『SOS大東京探検隊』『彼女の想いで・・・』(大友克洋) 

 近年全集刊行が始まった大友克洋、90年代に出た短編集を再読。大友克洋はやはり真面目な人なんだろうなと思う。この時期の作品は、理想とするところ(語るべき物語の規模、描きたい絵)と、様々な製作上の制約と、出来上がった作品の完成度が上手くバランスが取れていないという印象を受けます。短編なので特にそう見えるのか。そういった意味では奇跡的にバランスが取れて上手くまとまった『童夢』が最高峰なのかもしれないなと思ったり。       

 

 

 

アイデン&ティティ 24歳 27歳』(みうらじゅん) 

 『アイデン&ティティ』(1992年)とその続編『マリッジ』(1996年)を併録した1冊。妻が以前部屋の片づけをした時に、もう読まないからとくれたもの。『アイデン&ティティ』は当時読んだけど、続編は初見です。『アイデン&ティティ』ではディラン、『マリッジ』ではジョンとヨーコが主人公を導く。また、ストーンズの来日公演が主人公の迷いを吹き飛ばす。正に「俺はロックに救われた」(ルー・リード『Rock ‘n’ roll』)ですよ。

 妻が劇中の台詞をメモした紙切れが挟まっていてちょっと感動した。(痕跡本か!)「やらなきゃいけないことをやるだけさ だからうまくいくんだよ」「生きることは悲しいよ 生きることはさわぎだよ」 

 

 

 

『辺境で 伊図透作品集』

 地に足がついている感じがしてとても良い。冒頭の美大生の話もぐっときました。これなんか私小説的な部分があるのかも。オルドリッチ『北国の帝王』やフライシャー『センチュリアン』の引用があったりして、作者はいくつぐらいの人なんだろう。

 

 

 

 夏休みはあと2日。映画館、行けるかな。