Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『ボッカチオ'70』第3幕「仕事中」(ルキノ・ヴィスコンティ)

 

 夏休み4日目。妻がトリュフォー映画祭アンコール上映に行きたいと言うので、外出は譲って家の用事に専念。今日も映画館はおあずけでした。娘と図書館に行って、後は家事をやっておしまい。今夜は旧友たちとオンライン飲み会なので、少しは気晴らしが出来るかな。

 

 何か映画が見たかったので、今朝は早起きしてオムニバス映画『ボッカチオ'70』第3幕「仕事中」(ルキノ・ヴィスコンティ篇)を鑑賞。何で唐突にこれなのと思われそうですが、映画祭なかなか行けないので、何でもいいからロミー・シュナイダーが出てる映画を見たかったのですよ。

 

 『ボッカチオ'70』はマリオ・モニチェリフェデリコ・フェリーニルキノ・ヴィスコンティヴィットリオ・デ・シーカの4人が監督し、それぞれ人気女優マリサ・ソリナス、アニタ・エクバーグロミー・シュナイダーソフィア・ローレンが主演した艶笑コメディのオムニバス映画。フェリーニ篇の巨大アニタ・エクバーグが有名ですね。1話50分くらいあるので、全編見ると3時間超えの結構なボリューム。なので、今日はヴィスコンティ篇のみ鑑賞。

 

 ルキノ・ヴィスコンティ監督の第3幕「仕事中」は、主演ロミー・シュナイダー、共演は何と『復讐のガンマン』『情無用のジャンゴ』等マカロニウエスタンでお馴染みのトーマス・ミリアンでした。マカロニの薄汚い髭面とは打って変わって、ここではこざっぱりした格好で女好きの金持ちを演じています。音楽はニーノ・ロータ

 

 ヴィスコンティといえば『山猫』『ヴェニスに死す』等どうも重たい印象がありますが、本作では軽妙なコメディタッチを見せています。金持ちの痴話喧嘩みたいなお話で、仕事=売春という位置付け、愛のない夫婦間のセックスにもお金を払ってもらうという展開は、コメディと言うには何とも嫌な感じでしたが。ロミー・シュナイダーは様々な表情を見せてとても魅力的です。笑顔も涙も良い。サービスショットもあり。共演の猫も可愛い。

 

 ちなみに『ボッカチオ'70』は1962年製作の映画なので、日本公開されたのが1970年なので勝手に’70と付けたのかと思ってましたが、原題もBoccaccio '70。ってことは8年後の未来の設定なのか?ヴィスコンティ篇は全くそんな感じじゃなかったけど、他の3篇見ると分かるのかな。