Amazonプライムにキートンの傑作短編『文化生活一週間(キートンのマイホーム)』(1920年)を発見したので速攻チェック。画質はまあまあ良好、劇伴は邪魔にならない程度でちょうど良かった。(サイレント映画のソフトや配信は、大げさな劇伴が入っていて興覚めする場合がある)『一週間』と素っ気ない邦題(原題の直訳だけど)で上がっているので見逃し注意だ。
本作の初見は学生時代、今はなき「池袋パモス青芸館」のバスター・キートン特集だった。特集は2日間あって、初日が本作と『キートンの探偵学入門』『キートンの空中結婚』『キートンの警官騒動』『キートンの将軍』、2日めが『キートンのセブン・チャンス』『デブ君のコニーアイランド』『キートンの鍛冶屋』『キートンの強盗騒動』というラインナップだった。『探偵学入門』と『セブン・チャンス』の素晴らしさにノックアウトされて、キートンの大ファンになったのだった。
新婚夫婦(バスター・キートン、シビル・シーリー)が叔父からDIY住宅をプレゼントされるが、恋敵が部品の施工順番を書き換えてしまったために欠陥だらけの家が完成。新居お披露目のパーティー当日、大嵐が襲いとんでもない騒ぎに・・・というお話。
新婚夫婦を翻弄する欠陥住宅の奇怪な造形が凄い。それに負けじと次々アクロバティックな体技を繰り出すキートンに爆笑。キートンはとんでもないアクションをやってるはずなのに暑苦しくないのが好きだなあ。
悪計を巡らす恋敵(サイレント時代ならではの芝居と顔つきが印象的)、トラップだらけの家、大嵐で家が回転を始めるスペクタクルなギャグなど、わずか19分に見せ場がてんこ盛り。冒頭にしつこく出てくる結婚についての警句も効いてる。再見して一番驚いたのは、奥さんの入浴場面で「第四の壁」を超えちゃうギャグだった。1920年にしてこれは何とモダンな感覚なのかと感心した。サイレント時代における視覚のギャグを熟知したキートンならではの先見性なのか。
平日の仕事明け、帰宅してフリーになるのはどうしても0時近い時間帯になってしまう。そこから映画を1本見るというのはかなりハードルが高い(というか寝不足で翌日の仕事に支障をきたす)けど、本作の様な短編ならばそれほどの負担なく気分転換ができるのでとても良いな。
