Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『中継ステーション』(クリフォード・D・シマック)


 ハヤカワSF文庫、クリフォード・D・シマック『中継ステーション』(1963年)読了。アメリカ、ウィスコンシン州の片田舎に建つ一軒家。一見ごく普通の農家にしか見えないその建物は、実は銀河の異星人たちが行き交う中継ステーションだった・・・というお話。100年もの間ステーション管理人を務めてきた主人公ウォーレスの孤独な暮らしぶり、田舎の自然風景と様々な異星人たちがもたらす異文化の対比が、何とも味わい深い余韻をもたらす逸品でありました。いかにもSFらしい絶妙の設定で、アメリカの片田舎から大宇宙まで広がるスケール感を自然に感じさせる。たまにはこういうオーソドックスな(というかのんびりした)作品も良いものだなあと思う。
 

 余談だが、終盤にネズミ(イタチ?)っぽい異星人(悪臭で攻撃するイヤな奴)が登場する。何故か『SFレーザーブラスト』に出てくる光線銃を持ったトカゲ型エイリアンを思い浮かべてしまって、読んでいる間ずっとあの姿に見えて参った。こんな時は自分のヲタぶりにうんざりする。


レーザーブラスト [DVD]

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