追悼・ブルース・サーティース

白い肌の異常な夜 通常版 [DVD]

　クリント・イーストウッドとの名コンビで知られる撮影監督のブルース・サーティースが亡くなった。享年74歳。つい先日「午前十時の映画祭」で彼が撮影監督を手掛けた『ダーティハリー』を見たばかりだっただけに残念だ。

　撮影監督としてのデビュー作はドン・シーゲルの『白い肌の異常な夜』（1971年）。イーストウッドとは、主演作『ダーティハリー』『アルカトラズからの脱出』、監督作『恐怖のメロディ』『アウトロー』『ペイルライダー』等で息の合った仕事を見せてくれた。70年代〜80年代のイーストウッド作品を特徴付けるほの暗い映像、メリハリの効いた空撮は正にブルース・サーティースのスタイルであった。真っ赤にペイントされた街が印象的な異常ウエスタン『荒野のストレンジャー』という変化球もある。

　イーストウッド関連作品以外では、フィリップ・カウフマン『ミネソタ大強盗団』、ジョン・フリン『組織』、ボブ・フォッシー『レニー・ブルース』、ドン・シーゲル『ラスト・シューティスト』、ジョン・ミリアス『ビッグ・ウェンズデー』等を手掛けている。70年代アメリカ映画好きには堪えられないタイトルばかりではないか。90年代以降はＴＶＭを中心に活動していたようだ。

　ご冥福をお祈りします。『タイトロープ』の見事な夜間撮影を堪能しつつ追悼したい。