Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『ネバーエンディング・ストーリー』(ウォルフガング・ペーターゼン)

ネバーエンディング・ストーリー [DVD]

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ネバーエンディング・ストーリー』 THE NEVERENDING STORY


 監督/ウォルフガング・ペーターゼン
 原作/ミヒャエル・エンデ
 脚本/ウォルフガング・ペーターゼン、ヘルマン・ヴァイゲル
 撮影/ヨスト・ヴァカーノ
 音楽/クラウス・ドルディンガー、ジョルジオ・モロダー
 出演/ノア・ハサウェイ、バレット・オリヴァー、タミー・ストロナッハ、モーゼス・ガン
  (1984年・95分・西ドイツ/イギリス)


 ミヒャエル・エンデファンタジー小説を映画化したネバーエンディング・ストーリーを何故か再見することに。20数年ぶり。監督は『Uボート』のウォルフガング・ペーターゼン


 いじめられっ子の少年バスチアン(バレット・オリヴァー)は、いじめっ子に追われ逃げ込んだ古本屋で「はてしない物語」という本に出会う。それは空想の国<ファンタージェン>を舞台にした若き勇者アトレーユ(ノア・ハサウェイ)の冒険物語だったが、いつしかバスチアンは本の中の世界に同一化してゆく・・・。


 エンデの原作は未読なので、どこまで原作に忠実なのかは不明。お話は思いっ切りメタ・ファンタジーみたいな趣向。いじめられっ子の少年(読者)と、物語の主人公の冒険がクロスする・・・はずなんだけど、構成があまりに大雑把過ぎて全然そういう風には見えないよなあ。初見は高校生の時だったと思うけど、当時も「最後に主人公がドラゴンに乗って何するかと思えば、いじめっ子に仕返しして終わり?」と腰砕けな感想だった。広げた風呂敷の割にはショボイなあという印象は残念ながら変わらなかった。ティム・バートンピーター・ジャクソン、ギレルモ・デルトロらのようなジャンル愛も特に感じられないし。キャッチーな主題歌(歌:リマール、曲:ジョルジオ・モロダー)のおかげで、映画の印象は30倍くらい良くなっていると思うが。


 スタッフを調べたら、製作総指揮にマーク・ダモンの名前が。マーク・ダモンはマカロニ・ウエスタン出演経験ありの元俳優で、製作者に転身した人物。キャストは知らない人ばかり。唯一、『黒いジャガー』『ホットロック』等、70年代に活躍した黒人俳優モーゼズ・ガンが出ていた。


 様々なクリーチャーが出てくるのに、犬面の白いドラゴンのファルコン以外はほとんど活躍しないのも残念な点。ファルコンだけは物凄いインパクトがあるが。そう言えば、ファルコンが高校の理科の老教師にそっくりだったので友達と大笑いしたのを思い出した。




はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

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