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『ファンタスティック Mr.FOX』 FANTASTIC MR. FOX
監督/ウェス・アンダーソン
アニメーション監督/マーク・グスタフソン
原作/ロアルド・ダール
脚本/ノア・ボーンバック、ウェス・アンダーソン
撮影/トリスタン・オリヴァー
音楽/アレクサンドル・デスプラ
出演(声)/ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ、ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイ、ウィレム・デフォー
(2009年・87分・アメリカ/イギリス)
2012年の映画鑑賞は『ファンタスティック Mr.FOX』からスタート。昨年劇場で見逃して気になっていた1本だ。ロアルド・ダールの児童文学を、『ダージリン急行』のウェス・アンダーソン監督がストップモーション・アニメで映像化。
予告編を見て、ジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』みたいな話(動物たちが森を守るために人間と闘う)を想像していたら、全然違ってた。泥棒キツネのMr.FOX(声/ジョージ・クルーニー)は結婚を機に足を洗い、妻と息子と3人で平穏な穴暮らしをしていた。しかし貧乏な穴倉生活に満足できないMr.FOXは、家族に内緒で再び泥棒稼業へと足を踏み入れてしまう。Mr.FOXに家畜を奪われた3人の農場主たちが執拗なキツネ狩りを開始し、やがて森の動物たちを巻き込んだ大騒動へと発展するが・・・というお話。
主人公のMr.FOXは泥棒で、人の言う事は聞かないし嘘はつくしで相当ろくでもない男(ていうかオスか)だ。どんなに真面目なふりをしていても、獲物を前にするとついつい野性に帰ってしまう。この「やっぱり野性動物」という辺りの見せ方が絶妙だったなあ。ジョージ・クルーニーがあのイイ声でダンディな雰囲気を醸し出しているのに、食事や穴掘りになると急に仕草が荒々しくなるので爆笑した。
声の出演はジョージ・クルーニーの他、メリル・ストリープ(妻)、ジェイソン・シュワルツマン(息子)、ビル・マーレイ、ウィレム・デフォー、マイケル・ガンボン、オーウェン・ウィルソンら超豪華。デフォーは孤独なチンピラ鼠役で、得意のねちっこい悪役演技を披露。
監督はウェス・アンダーソン。個人的には、この人はどうもアタマが良過ぎるという印象がある。センスが良過ぎて時折嫌味に見えたり、上手いんだけど画面をカッチリと作り込み過ぎてて息苦しさを感じたり。幾分ユルくて人間臭い『天才マックスの世界』と『ダージリン急行』は大好きだけど。今回は原作ものということもあってか、伸び伸びと楽しんで作っているのが伝わって来るようだった。彼の持ち味であるちょっと捻ったキャラクター描写、巧みな画面構成が存分に発揮されている。アニメーションならではの動きの面白さも十分で、アクションシーンになるとビーチボーイズやストーンズが流れて、引きの画で動物たちがチャカチャカ動き回るのを見るのはとても愉快だった。