- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2011/06/17
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監督/米林宏昌
原作/メアリー・ノートン
脚本/宮崎駿、丹羽圭子
音楽/セシル・コルベル
出演(声)/志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、藤原竜也、三浦友和、樹木希林
(2010年・94分・日本)
未見だったジブリアニメ『借りぐらしのアリエッティ』をチェックしてみた。公開時は「しかしジブリは小さい女の子が好きだよなあ」という感じで、さすがに劇場まで足を運ぶ気にならなかった。40男を劇場まで向かすには、ちょっと引きが足りないというか。ちなみに宮崎駿監督作は『風の谷のナウシカ』以来毎回劇場で見ているくらいなので、別にアニメーション映画に偏見がある訳では無いので念のため。
郊外にある古いお屋敷の床下に、人間の生活用品を借りて暮らす小人の一家が住んでいた。小人たちは人間に存在を知られないように慎ましく暮らしていたが、ある日、娘のアリエッティが屋敷に越してきた人間の少年・翔に姿を見られてしまった・・・。
「借りぐらし」という妙なタイトルは、人間の食べ物や燃料を少しずつ借りて暮らす小人の生活を指している。映画の前半はそんな小人の生活を丹念に描き出す。深夜人間の台所に忍び込んで食料を調達する様子、窓の外に書き割りの景色を置いた小人の家、借りてきたビスケットを小さく砕く姿・・・。小人から見たスケール感も自然に描かれていて、丁寧な描写にはとても好感を持った。
いいなあと思ったのは、ちゃんとゴ○○リが出てきたこと。いや別にゴ○○リを見たかった訳ではない。どこか遠い妖精の国のお話ではなくて、あくまで日常空間の中に住む小さい人の話なので、それは避けて通れないだろうと思っていたから。他にはダンゴムシなんかも登場、ヒロインは怖がりもせず転がしていた。虫を愛ずる少女というのは『ナウシカ』以来ジブリの伝統なのか。
映像の手触りには好感を持ったけれど、ドラマについてはいささか物足りなさを覚えた。病弱で孤独な人間の少年と、同族の友人がいない小人の少女が、互いに惹かれあうという・・・という筋立ては分かるけれど、突っ込み不足なんじゃないかなあ。アリエッティと小人の少年の関係があって、そこに人間の少年が介入してきて三角関係に発展するとか、何かもっとあっても良かったんじゃないかなあと思う。アリエッティと人間の少年のキャラクターが真面目過ぎる(というか暗い)せいかもしれない。脇のキャラクターたちも印象が薄い。この辺は残念であった。
映画全体としては、小人一家の冒険を描くシリーズの第1話、みたいな感じ。予想していたよりも随分地味な映画であった。