Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『ピラニア3D』(アレキサンドル・アジャ)


『ピラニア』 PIRANHA


 監督/アレクサンドル・アジャ
 脚本/ピーター・ゴールドフィンガー、ジョシュ・ストールバーグ
 撮影/ジョン・R・レオネッティ
 音楽/マイケル・ワンドマッチャー
 出演/エリザベス・シューアダム・スコットジェリー・オコンネルヴィング・レイムス、スティーヴン・R・マックイーン
 (2010年・89分・アメリカ)


 劇場で見逃していた『ピラニア3D』をチェック。ジョー・ダンテ監督、ジョン・セイルズ脚本による『ピラニア』(1978年)を、『ハイテンション』のアレクサンドル・アジャ監督がリメイク。ホラー映画見るの本当に久しぶりなんで、期待して見始めた。


 地底湖で独自の進化を遂げた凶暴なピラニアの群れが、地震で出来た裂け目を通って湖に進入。折りしも湖ではイベント“濡れたTシャツコンテスト”が開かれており、若者たちが乱痴気騒ぎを繰り広げていた・・・。


 1時間半足らずの上映時間にエロとグロがこれでもかとばかりに詰め込まれた快(怪)作。「お前らの見たいのはこれだろ!」とばかりに、裸と派手な血糊の連続で、徹底したサービス精神は清々しいほどだ。「親の顔が見たい!」というコントのオチみたいな幕引きには笑った。


 主演はエリザベス・シュー(シングルマザーの保安官役)。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでマイケル・J・フォックスの彼女だった娘だ。バーホーベンの『インビジブル』を経て、今や高校生の息子がいる役だもんなあ。その息子役スティーヴン・R・マックイーンはその名を見ての通りスティーヴ・マックィーンの孫だという。ゲスト出演扱いでヴィング・レイムスイーライ・ロスクリストファー・ロイドリチャード・ドレイファスらが顔を見せている。


 面白かったけど、自分が見たいホラー映画ではなかったかも。あまりにストレート過ぎて、別に怖くないもんなあ。自分が見たいホラーは、心の暗い部分を覗き込むような冷え冷えとした映画だ。