本が禁じられたら本になってしまえばいい

華氏451 [DVD]

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)

　偉大なるSF作家レイ・ブラッドベリが亡くなった。享年91歳とのこと。ご冥福をお祈りします。

　で、追悼に『華氏451』見終えたところ。トリュフォーとブラッドベリの組み合わせは、やはり大正解だったんではないかなあ。とってもいい映画だと思います。バーナード・ハーマンのテンションの高い音楽も楽しいし、撮影は何とニコラス・ローグだ。スローモーションで書物が落下するショットなんていかにもニコラス・ローグっぽい。物語の中で禁じられているのは「書物」なのだけど、それって「文字」が禁じられてるってことなのか（主人公が台詞の無いコミック新聞みたいのを読んでる場面がある）、それとも「物語」がいけないのか、とかいろいろ考えてしまった。今現在電子書籍やら何やらで「物語」に接する方法はいろいろあるけれど、やっぱり書物の重みを手に感じながらページをめくるという歓びは無くなって欲しくないなあと思う。

　ところで、ブラッドベリと映画と言えば、ずっと気になっているのがジョン・ヒューストンの『白鯨』だ。メルヴィルの原作を、ブラッドベリが脚色しているのだ。トリュフォーと違って、ジョン・ヒューストンとブラッドベリってのは何だか相性が悪そうな気がするが・・・。どんな映画に仕上がっているのか確かめてみたい。

白鯨 [DVD]