RED DIAMOND~Tribute to Yukihiro Takahashi(通常盤)
- アーティスト: VARIOUS
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 2012/08/08
- メディア: CD
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高橋幸宏トリビュートアルバム『RED DIAMOND -Tribute to Yukihiro Takahashi-』。幸宏の還暦祝いの企画なんだとか。YMOの頃から長いお付き合いなので、ファンとしては感慨深いものがある。(すなわちこちらも歳取ったってことなんだが。それはさておき)
収録曲は、
M-1.「サヨナラ」(宮沢りえ)
M-2.「What, Me Worry? 〜It’s Gonna Work Out」(木暮晋也+高桑圭+白根賢一+LEO今井)
M-3.「Forever Bursting Into Flame」(TODD RUNDGREN)
M-4.「元気なら うれしいね」(pupa=原田知世+高野寛+高田漣+堀江博久+権藤知彦)
M-5.「Are You Receiving Me?」(ヒダカトオル BAND SET)
M-6.「Drip Dry Eyes」(小山田圭吾+砂原良徳+TOWA TEI with VALERIE TREBELJAHR)
M-7.「X’mas Day In The Next Life」(鈴木慶一)
M-8.「Now And Then…」(STEVE JANSEN)
M-9.「Bijin Kyoshi At The Swimming School 〜 I-Kasu!」(東京スカパラダイスオーケストラ)
M-10.「Where Are You Heading To?」(JAMES IHA)
M-11.「流れ星ひとつ」(高野寛)
M-12.「Happy Children」(坂本龍一+細野晴臣)
アルバムは、意表を突いて宮沢りえによるポエトリー・リーディングで幕を開ける。参加ミュージシャンは坂本龍一、細野晴臣、鈴木慶一、後輩世代の高野寛、小山田圭吾、砂原良徳、テイ・トウワ、東京スカパラダイスオーケストラ、海外からトッド・ラングレン、スティーヴ・ジャンセン、ジェームス・イハ(スマッシング・パンプキンズ)等々多彩で豪華な顔ぶれだ。どの曲からも参加ミュージシャンたちの幸宏に対する愛情がひしひしと感じられる。特に印象的だったのは、M-3、M-7、M-9、M-12辺り。
かつてシングル「WATER MELON」で共演したスカパラは、アルバム『音楽殺人』(1980年)から「Bijin Kyoshi At The Swimming School 〜 I-Kasu!」(M-9)をカヴァー。『音楽殺人』は中学時代に死ぬほど聴いたアルバムなので嬉しかったなあ。スカパラの軽妙な演奏を聴いていると、当時録音していたミュージックテープ(!)の手触りや雑誌を切り抜いて作ったカセット・レーベル等が思い出されて懐かしかった(というかちょっと恥ずかしかった)。
THE BEATNIKSの盟友・鈴木慶一は、自身が作詞した「X’mas Day In The Next Life」(M-7)をカヴァー。メインに女性ヴォーカルを迎えて、サビ部分でそっと寄り添うように慶一のコーラスが入る。久々に聴いたけど、もの凄くいい曲なんで改めて感動した。泣いたよ。残暑厳しいこの季節に。クリスマス・ソングで。ちなみに「X’mas Day In The Next Life」が収録された『A Day in The Next Life』(1991年)と、THE BEATNIKSの超がつく名曲「左岸 LEFT BANK」が収録された『EGO』(1988年)も死ぬほど聴いたアルバム。友人のTommyさんと酒飲みながら、繰り返し繰り返し聴きました。
ここ何作か幸宏のアルバムには、映画の終りに流れるような(曲が流れて行く内に画面がフェードアウトして、画面の下方からスタッフやキャストのクレジットがスクロールしてくるような)曲が必ず収録されている。聴きながら街を歩いていると、視界の下方からエンディングクレジットがせり上がってくるような気がして、まるで自分の人生が終りを迎えたような妙な気分になってくるので、勝手に「人生のエンディング曲」と呼んでいる。YMOの坂本龍一、細野晴臣によるM-12「Happy Children」もまたそんな曲であった。坂本龍一のヴォーカルが妙に生々しい。
他には、トッド・ラングレンによる「Forever Bursting Into Flame」(M-3)が素晴らしいと思ったなあ。アルバム『BROADCAST FROM HEAVEN』(1990年)からのカヴァーで、まるでオリジナルのようなハマりっぷりだ。高野寛(M-11)/pupa(M-4)の丁寧な歌声も印象深い。参加ミュージシャンたちそれぞれの選曲の妙と解釈が興味深く、楽しいアルバムでありました。