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オットー・プレミンジャー監督作品をもう1本、『悲しみよこんにちは』(1957年)。オットー・プレミンジャーの監督作品だからどうこうと言うよりは、本作の魅力は「セシール・カット」で一世を風靡したジーン・セバーグに尽きると言っても過言ではない。かのゴダールが本作のジーン・セバーグを「引用」して自作に登場させたのが『勝手にしやがれ』だったりするので、自分のようなショート・カットの女性好きには聖典のような作品だ。
超お洒落なタイトルデザインはオットー・プレミンジャー作品常連のソウル・バス。プレイボーイの父親(デヴィッド・ニーヴン)と暮らす17歳の少女セシル(ジーン・セバーグ)が主人公。父は若い愛人(ミレーヌ・ドモンジョ)を捨てて、新しい恋人アンヌ(デボラ・カー)と結婚話を進めるが、セシルは真面目なアンヌに反発して2人を別れさせようと画策する。やがて思春期の少女の行動が思わぬ悲劇を生むのだった・・・というお話。過去を鮮やかなカラー、悲劇を通過した現在をモノクロで描き、大人になった主人公(と懲りない父親)の姿を印象付ける。全く興味の無いジャンルではあるが、適材適所の俳優陣のおかげで意外に楽しめた。
まあ正直言って、この映画で描かれる父娘関係、風光明媚な地中海の別荘地で恋愛遊戯を繰り返すお金持ちの日常描写は、まるで異世界の出来事にしか見えんかったが。
(『悲しみよこんにちは』 BONJOUR TRISTESSE 監督/オットー・プレミンジャー 原作/フランソワーズ・サガン 脚本/アーサー・ローレンツ 撮影/ジョルジュ・ペリナール 音楽/ジョルジュ・オーリック タイトルデザイン/ソウル・バス 出演/ジーン・セバーグ、デボラ・カー、デヴィッド・ニーヴン、ミレーヌ・ドモンジョ、ジェフリー・ホーン、ジュリエット・グレコ 1957年 94分 イギリス/アメリカ)
- 作者: フランソワーズサガン,Francoise Sagan,河野万里子
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