Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

追悼R・リー・アーメイ


 『フルメタル・ジャケット』の鬼教官役で強烈な印象を残した俳優のR・リー・アーメイが亡くなりました。『フルメタル・ジャケット』は公開当時、「あの巨匠キューブリックの新作を封切で見られるぞ!」と興奮して映画館に飛んで行った。そしたらアーメイ演じるハートマン軍曹とビンセント・ドノフリオ演じる新兵「ほほえみデブ」のインパクトが強すぎて、鑑賞後はキューブリック云々はどうでもよくなってましたね。


 その後アーメイはハートマン軍曹のイメージを引きずった軍人やコワモテの役ばかり演じていた。クリスピン・グローヴァー主演のリメイク版『ウィラード』ではネズミを愛でる主人公をイジメる上司役。オリジナル版で同じ役を演じていたアーネスト・ボーグナインのように「コワモテなんだけど実は良い人」というキャラクターを演じているのを見た記憶がない。『悪魔のいけにえ』リメイク版『テキサス・チェーンソー』ではある意味レザーフェイスよりおっかない田舎の保安官を演じてた。ほとんどセルフ・パロディを繰り返すような存在になっていた印象なんだけど、自分が知らないだけで「実はいい人」も演じてたのだろうか。さておき、アメリカの汐路章に合掌。