Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『デビルスピーク』(エリック・ウェストン)


 野ブタがシャワールームで女性を襲う場面が有名な80年代ホラー『デビルスピーク』を鑑賞。割に知られた作品なんだけど、何故か今まで未見であった。


 軍の寄宿学校で、いじめられっ子がパソコンで悪魔を召還し、教師やいじめっ子たちに復讐をするというお話で、企画そのものは男性版『キャリー』を狙ったものか。見せ場はひたすら断首と人喰い野ブタの活躍。そんなに悪くないんじゃないかと思ったなあ。冒頭、悪魔崇拝の儀式で美女の首が景気良く切り落とされると、それがラグビーの試合で転がるボールに繋がるところとか。って書くと非常に馬鹿馬鹿しいけど、そんな一工夫が随所に感じられるのがいいじゃないですか。スラッシャー映画が全盛となる以前の、「オカルト映画」の香りが多少なりとも残っているのもいい。


 主演はロン・ハワード監督(俳優出身で『バニシングin Turbo』等主演作あり)の弟クリント・ハワード。ペキンパーの映画でよく見るじいさん俳優(R・G・アームストロング)が酔っ払いの用務員役で出ていた。


(『デビルスピーク』 EVILSPEAK 監督/エリック・ウェストン 脚本/エリック・ウェストン、ジョセフ・ガロファロ 撮影/アーヴ・グッドノフ 音楽/ロジャー・ケラウェイ 出演/クリント・ハワード、リン・ハンコック、R・G・アームストロング、チャールズ・タイナー、ジョセフ・コーテス、クロード・アール・ジョーンズ 1981年 104分 アメリカ)