映画感想その11

　昨日の続きです。最近見た映画、または大分前に見たけど感想を書きそびれていた映画について、ここらでまとめて感想を書き記しておきます。今回は洋画アニメーション編。　

『ファインディング・ドリー』（アンドリュー・スタントン）　

　大ヒット作『ファインディング・ニモ』のスピンオフ作品。『ニモ』の脇役であったドリーが主人公で、生き別れとなった両親を探して旅をするお話。海に生きる生き物の個性を生かした様々な描写が見せ場となっていて楽しめる。けど、さすがに終盤のカーアクションだけはそこを逸脱している感じで、サービス過多というかやり過ぎなんじゃないかと思ったなあ。　

（『ファインディング・ドリー』　FINDING DORY　監督／アンドリュー・スタントン（共同監督アンガス・マクレーン）　脚本／アンドリュー・スタントン、ヴィクトリア・ストラウス　音楽／トーマス・ニューマン　出演（声）／エレン・デジェネレス、ヘイデン・ロレンス、アルバート・ブルックス、エド・オニール　（吹替）／木梨憲武、上川隆也、中村アン、菊地慶、多田野曜平　2016年　96分　アメリカ）

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『アーロと少年』（ピーター・ソーン）　

　「地球に隕石がぶつからず、恐竜が絶滅せずに進化した世界」という設定で、恐竜が農耕生活を営んでいたりして面白い。親の死を目の当たりにして傷心の主人公が家出してさすらいの果て成長して故郷へと戻ってゆく、というお話は『ライオン・キング』と大差なく、主人公の気弱な恐竜アーロと少年の交流も型通りでいささか物足りないところであった。脇役の配置も何やら『ライオン・キング』めいているような印象が。実写の空間の中にデフォルメされたアニメキャラクターが存在しているような立体的な映像はそれはそれは見事なものなのだが・・・。

（『アーロと少年』THE GOOD DINOSAUR　監督／ピーター・ソーン　脚本／メグ・レフォーヴ　音楽／マイケル・ダナ、ジェフ・ダナ　出演（声）／レイモンド・オチョア、ジャック・ブライト、サム・エリオット、アンナ・パキン、ジェフリー・ライト、フランシス・マクドーマンド　（吹替）／安田成美、松重豊、八嶋智人、片桐はいり、石川樹　2015年　93分　アメリカ）

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『怪盗グルーの月泥棒』（クリス・ルノー、ピエール・コフィン）　

　脇役のミニオンたちが人気を博してシリーズ化された「怪盗グルー」シリーズの第1作。これが予想以上に面白かった。大泥棒グルーや孤児の三姉妹のキャラクター、グルーが乗る車や飛行機のデザイン、月を縮小化して盗むという突飛な物語等々、アニメーションならではの面白さが存分に発揮されていて侮れない。個人的に気に入らなかったのは敵役のスケールが小さいこと。山寺宏一氏の妙演もあってまだ救われているが、あんなオタクキャラにしなくてもいいんじゃないかと思ったなあ。あれは主人公の活躍に水をさすライバルキャラくらいの位置づけでいいんじゃないの。　

（『怪盗グルーの月泥棒』　DESPICABLE ME　監督／クリス・ルノー、ピエール・コフィン　脚本／シンコ・ポール、ケン・ダウリオ　音楽／ファレル・ウィリアムス、ヘイター・ペレイラ　出演（声）／スティーヴ・カレル、ジェイソン・シーゲル、ラッセル・ブランド、ジュリー・アンドリュース　（吹替）／笑福亭鶴瓶、山寺宏一、伊井篤史、京田尚子、須藤祐実、矢島晶子、芦田愛菜　2010年　95分　アメリカ）

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『ベイマックス』（ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ）　

　予告編の印象だと、雪だるまみたいな外見のロボットと少年の交流、みたいなほのぼの路線かと思っていたら、何のことは無いチーム・ヒーローものの第1話みたいな内容なのであった。（実は原作もので、ディズニー初のマーベル・コミック映画化なんだという）プリンセスもので女の子向けというイメージが強いディズニーが、男の子にウケる作品を、と企画したのかなあと思う。それ以外には特になし。良く出来てると思うけど、何か引っかかってくるものが無いのであった。　

（『ベイマックス』　Big Hero 6　監督／ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ　脚本／ジョーダン・ロバーツ、ドン・ホール　音楽／ヘンリー・ジャックマン　出演（声）／スコット・アドシット、ライアン・ポッター、ダニエル・ヘニー、ジェームズ・クロムウェル　（吹替）／川島得愛、本城雄太郎、小泉孝太郎、金田明夫、菅野美穂　2014年　102分　アメリカ）

ベイマックス　（吹替版）

『ズートピア』（バイロン・ハワード、リッチ・ムーア）　

　多種多様な動物たちが暮らす楽園「ズートピア」を舞台にしたファンタジー・アニメ・・・というよりも、人種の違う刑事と犯罪者のコンビが難事件を解決するというアメリカ映画お得意のバディものと言ったほうがしっくりくる映画であった。事件解決まで主人公たちに課せられたタイムリミットが『48時間』だったりしてね。街を牛耳る顔役との駆け引き、金持ちたちがのん気にヨガに興じるヌーディストサークル、凶暴化した動物たちが隔離された病棟など、いかにもハードボイルド探偵ものに出てきそうな場面を可愛げな動物たちが演じているのが実に面白かった。　

（『ズートピア』　ZOOTOPIA　監督／バイロン・ハワード、リッチ・ムーア（共同監督ジャレド・ブッシュ）　脚本／ジャレド・ブッシュ、フィル・ジョンストン　音楽／マイケル・ジアッキノ　出演（声）／ジニファー・グッドウィン、ジェイソン・ベイトマン、イドリス・エルバ、ジェニー・スレイト、ネイト・トレンス　（吹替）／上戸彩、森川智之、三宅健太、高橋茂雄、竹内順子、玄田哲章　2016年　108分　アメリカ）　

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　この項続く。