『カーバー&パコ〜トゥー・マッチ・ゴールド』 LO CREDEVANO UNO STINCO DI SANTO
監督/ジュアン・ボッシュ
脚本/マリオ・アンブロジーニ
撮影/ジュリオ・ベレッジ・デ・ロザス
音楽/マルチェロ・ジョンビーニ
出演/アンソニー・ステファン、ダニエル・マーティン、タニア・アルヴァラード、フェルナンド・サンチョ
(1972年・87分・イタリア/スペイン)
日本劇場未公開(TV放映のみ)のマカロニウエスタン鑑賞その2『カーバー&パコ〜トゥー・マッチ・ゴールド』。まるでカーバーとパコという2人のガンマンのバディものみたいな邦題だけど、そういうお話ではない。カーバーは途中で死んじゃう爺さん、パコは脇役のメキシコ人。トゥー・マッチ・ゴールド、ってのはまあそうなんだけど、どうかねこのいい加減な邦題は。いかにもマカロニらしくていいじゃん、と許せる範囲を越えてると思うけど・・・。原題はLo Credevano Uno Stinco Di Santo。某マカロニブログによると、「人は彼を紳士だと信じていた」といった意味のようです。
服役中の年老いた泥棒カーバーが出所を迎えた日、刑務所の周りに続々とならず者たちが集まってきた。ならず者たちはカーバーが隠した金貨を狙っているのだ。恐れをなしたカーバーは騒ぎを起こしてそのまま刑務所に居座ろうとする。刑務所に潜入したトラッシュ(アンソニー・ステファン)は、カーバーを脱獄させ金貨の隠し場所を探ろうとするが・・・。
隠された金貨を巡って悪党どもが争奪戦を繰り広げるというお話。強面のガンマンと抜け目無いメキシコ人コソ泥が互いに出し抜こうと腹の探りあいをしながら旅を続ける。いかんせんスターの魅力の差か、同趣向の『復讐のガンマン』(リー・ヴァン・クリーフ&トーマス・ミリアン)ほどには盛り上がらないのが残念。金貨が教会のキリスト像の下に隠されているとか、どことなく泥棒映画の趣もあり、映画としてはまあまあ楽しめた。軽めのタッチの割に人がバタバタ死にすぎるのはちょっと気になるけど。
後半にはフェルナンド・サンチョが例によってメキシコの山賊役で登場。『キラー・キッド』同様にアンソニー・ステファンとの顔合わせだけど、今回は単なる悪役であった。短い登場時間で殺しまくり。
このメーカーはしかしやる気あるのかね。DVDのパッケージには1966年と書かれているし、解説文は直訳みたいな変な文章で意味不明だし、キャスト・スタッフのクレジットも何だか怪しい。そもそも印刷が悪くて文字が読み辛いことこの上ない。邦題もいい加減だし、困ったもんだなあ。貴重な未公開マカロニを見れるだけマシと思うしかないが・・・。