- 作者: マーク・ミラー,ジョン・ロミータJr.,光岡三ツ子
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2010/11/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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友人のSir J.J.に薦められて、『キック・アス』原作版を読んでみた。
ヒーローに憧れるボンクラ高校生が手製のスーツとマスクで悪漢退治に繰り出す。チンピラと格闘する姿が見物人によって撮影され、YouTubeにアップロードされたことで一躍ヒーローに祭り上げられてしまう。有頂天の主人公の前に、ビック・ダディとヒット・ガールという本物のマスク・ヒーローが現れて・・・というストーリーの概要は映画版とほとんど同じ。なんだけど、向いてる方向は全然違うと思ったなあ。映画版に違和感を覚えた身としては、やっぱりそうでしょうと原作を読んで腑に落ちた次第。暴力が暴力としてちゃんと描かれているところ、そして主人公の救われなさが徹底しているところには大いに納得した。
「僕は人殺しはしない! だって僕はスーパーヒーローだからさ!」なんて台詞もある通り、原作の主人公は殺人を否定している。主人公の理想とする(なりたかった)ヒーロー像に対して、ビック・ダディとヒット・ガールはその対極に位置する存在なのである。ハリウッド的に脚色された映画版では、人殺し=本物のヒーローになった!みたいに描かれているのがすごく引っ掛かったのであった。それが子供や高校生だったりするからなおさら。オレは原作の方が好きだなあ。