Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『アメリカ映画100シリーズ ゼロ年代アメリカ映画100』(芸術新聞社)

ゼロ年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)

ゼロ年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)


 『アメリカ映画100』シリーズ、『ゼロ年代アメリカ映画100』。本書については、前のブログで採り上げたことがあるけれど、もう一度改めて。コピーに曰く「暴力と再生の10年を、映画で検証する」。ゼロ年代とは、さてどんな時代だったのか。ブッシュ政権、9・11、アフガン・イラク戦争リーマンショックオバマ大統領当選による変革の予感・・・。個人的には、東京を離れて水戸、また東京、千葉、仙台と移動し、結婚するという変化を迎えた10年だった。前半は一生懸命劇場に足を運んでいた。後半からは本数が激減してしまったが・・・。編集は佐野亨、渡部幻。コラム執筆者は、町山智浩柳下毅一郎、大森さわこ、滝本誠今野雄二らお馴染みの面々に加え、黒沢清も。芝山幹郎中原昌也の対談も面白い。紹介されている作品は、


ファイト・クラブ』『マグノリア』『マルコヴィッチの穴』『アイズ・ワイド・シャット』『スター・ウォーズエピソード1〜3』『マトリックス』『アメリカン・ビューティー』『ストレイト・ストーリー』『トラフィック』『レクイエム・フォー・ドリーム』『あの頃ペニー・レインと』『グリーン・デスティニー』『メメント』『キャスト・アウェイ』『A.I』『ロード・オブ・ザ・リング』『地獄の黙示録 特別完全版』『マルホランド・ドライブ』『バーバー』『イン・ザ・ベッドルーム』『チョコレート』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『アザーズ』『ゴーストワールド』『ボウリング・フォー・コロンバイン』『25時』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『スパイダーマン1・2・3』『ボーン・アイデンティティボーン・スプレマシーボーン・アルティメイタム』『アバウト・シュミット』『さよなら、さよならハリウッド』『パンチドランク・ラブ』『ファム・ファタール』『エデンより彼方に』『キル・ビル Vol.1/Vol.2』『エレファント』『ミスティック・リバー』『ロスト・イン・トランスレーション』『ビッグ・フィッシュ』『21グラム』『クラッシュ』『華氏911』『ミリオンダラー・ベイビー』『宇宙戦争』『ミュンヘン』『ブロークバック・マウンテン』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『カポーティ』『キング・コング』『ジャーヘッド』『グッドナイト&グッドラック』『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』『ニュー・ワールド』『イン・ハー・シューズ』『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』『ブロークン・フラワーズ』『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』『今宵、フィッツジェラルド劇場で』『インランド・エンパイア』『リトル・チルドレン』『トゥモローワールド』『アポカリプト』『スキャナー・ダークリー』『レディ・イン・ザ・ウォーター』『リトル・ミス・サンシャイン』『ブラック・ダリア』『ボラット』『ノーカントリー』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『イントゥ・ザ・ワイルド』『ゾディアック』『グラインドハウス』『リダクテッド真実の価値』『JUNO』『扉をたたく人』『アメリカン・ギャングスター』『コッポラの胡蝶の夢』『アイム・ノット・ゼア』『ダークナイト』『チェンジリング』『グラン・トリノ』『レスラー』『ウォーリー』『チェ二部作』『ハート・ロッカー』『ランボー最後の戦場』『フローズン・リバー』『アメリカン・ティーン』『レイチェルの結婚』『ミルク』『ウォッチメン』『第9地区』『イングロリアス・バスターズ』『アバター』『インビクタス負けざる者たち』『闇の列車、光の旅』『かいじゅうたちのいるところ』『(500)日のサマー』『プレシャス』『スペル』。


 この内見ているのは72本。以前より活躍しているスピルバーグイーストウッド、コッポラ、スコセッシ、アレン、デ・パルマたちはゼロ年代に入っても精力的に作品を発表し続けている。キューブリックとアルトマンの遺作も。そこにフィンチャーポール・トーマス・アンダーソンスパイク・ジョーンズクリストファー・ノーランピーター・ジャクソン、シャラマンらが新しい顔ぶれとして加わっている。


 ゼロ年代を超えて、今や2010年代も終わりに差し掛かっている。鑑賞本数が激減して新作にすっかり疎くなってしまったので、映画ガイドとして次の「10年代アメリカ映画100」は楽しみな1冊である。アメコミ映画の台頭、が大きなキーワードになるのだろうね。



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