森田芳光監督が亡くなった。享年61歳。いくら何でも早いなあ。当たり外れはあるにせよ、これからまだまだ色んな企画に挑戦してくれそうな人だっただけに残念だ。軽妙な人物スケッチを得意とし、きちんとした戦略を持って「貧乏臭くない邦画」を志向する貴重な作り手だったと思う。
森田監督の作品といえば、80年代前半の諸作が忘れられない。『の・ようなもの』『家族ゲーム』『メイン・テーマ』『ときめきに死す』『それから』・・・。90年代以降では、ネットと恋愛をネタにした映画としては『ユー・ガッタ・メール』なんかの100倍野心的な『(ハル)』とか、伊丹十三の意志を継いだような社会派サスペンス『39 刑法第三十九条』も見応えのある力作であったと思う。最近は方向性を見失って迷走していたように見受けられたが、本当の代表作はこれからの人だったと思う。
1本だけ好きな映画を選ぶならば、迷わず『ときめきに死す』を挙げる。もちろん『家族ゲーム』の完成度も凄いと思うけれど、個人的にはやっぱり『ときめきに死す』だなあ。森田芳光って『失楽園』とか『模倣犯』とか撮ったダメ邦画の監督でしょ?という若い人には、是非『ときめきに死す」見て度肝抜かれて欲しい。ジュリーも杉浦直樹も樋口可南子も最高なんだから。
追悼・森田芳光。今頃きっと天国で松田優作と新しい映画を企画していることだろう。
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