最近見た映画、または大分前に見たけど感想を書きそびれていた映画について、ここらでまとめて感想を書き記しておきます。
R指定にもかかわらず全米で大ヒットしたというマーベル・コミック原作の人気シリーズ第2弾。確かに面白かったんだけれど、正直のところよくこんなのが受け入れられてるなあと思った。主人公がカメラに向かって軽口を叩きながら(いわゆる「第4の壁」を破壊しながら)悪党どもをなぎ倒す、というのはいいとして、問題はその軽口の内容だ。アメコミのキャラクターや映画の演出に関する言及するギャグ(メタギャグというやつ)、主演俳優の経歴をサカナにした内輪ネタ、映画ネタ(『愛のイエントル』なんて・・・)が次々と繰り出され、加えて過激な下ネタ、モンティパイソンを超える人体破壊ギャグもてんこもり。これみんな普通に受け入れてるのか、ちゃんと分かって楽しめてるのか、と気になった。個人的には、映画ネタには乗っかれて楽しめたんだけど、人体破壊ギャグはいささかついていけない感じがしたなあ。各キャラが立っているのと、描写に勢いがあるのが勝因か。一番面白かったキャラクターは、特殊能力=幸運、というドミノだった。そんなスーパーヒーローがいてもいいよね。
(『デッドプール2』 DEADPOOL 2 監督/デヴィッド・リーチ 脚本/レット・リース、ポール・ワーニック、ライアン・レイノルズ 撮影/ジョナサン・セラ 音楽/タイラー・ベイツ 出演/ライアン・レイノルズ、ジョシュ・ブローリン、モリーナ・バッカリン、ジュリアン・デニソン、ザジー・ビーツ、ステファン・カピチッチ 2018年 120分 アメリカ)
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『ジュラシック・ワールド』(コリン・トレヴォロウ)
最新作『炎の王国』も大ヒット中の人気シリーズ第4作。スピルバーグによる第1作『ジュラシックパーク』(1993年)は「本当に恐竜がいるぞ!」という新鮮な驚きがあったものだが、それから早25年(!)、CG恐竜の映像もすっかり食傷気味。お話は人間の愚かな行動によって恐竜が解き放たれ、登場人物たちが逃げ惑うという毎度のパターン。なんで焼き直し感は否めないところなんだけど、これが意外に面白かった。いざ恐竜が暴れだすと右往左往するばかりだったこれまでの主人公たちと比べ、本作では主人公を行動派にシフトしてアクション・アドベンチャー風味が強まったのが勝因か。好漢クリス・プラット演じる主人公がとても頼りになる人物として描かれていて、危機に際して賢明な行動を取るので、見ていてイライラしないのだ。島の位置関係がきちんと描かれているのも上手い。テーマパークが壊滅したその後を描く最新作『炎の王国』も見てみようかなという気になった。
(『ジュラシック・ワールド』 JURASSIC WORLD 監督/コリン・トレヴォロウ 脚本/リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー、デレク・コノリー、コリン・トレヴォロウ 撮影/ジョン・シュワルツマン 音楽/マイケル・ジアッキノ 出演/クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ヴィンセント・ドノフリオ、タイ・シンプキンス、ニック・ロビンソン、オマール・シー 2015年 125分 アメリカ)
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『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(アレックス・カーツマン)
ミイラ男、フランケンシュタイン、透明人間、狼男など、ユニバーサル製作で一世を風靡した怪奇映画の主役たちが一堂に集う「ダークユニバース」シリーズの第1弾、だそうで。それがいきなりトム・クルーズ主演でミイラ男映画、という辺り「大丈夫か?」と思わないでもない。復活するミイラは邪悪な女王というアレンジで、怪奇映画らしい描写が全編に展開する。『スペース・バンパイア』みたいに精気を吸われた男が萎む描写もあったりして。なんだけど、主人公トムがインディ・ジョーンズみたいに派手なアクションを展開する冒険活劇色が強くて、途中で「これ、一体何の映画?」とわけがわからなくなってくる。最後は色々あってミイラの力を手に入れたトムが闇のヒーローとして活躍するだろうことを匂わせて幕を閉じる。そうか、新しいヒーローの誕生編だったのか、と最後まで見ればトムのキャスティングを含めて納得できないこともないのだが・・・。やっぱり怪奇映画らしい描写と派手なアクションが上手く噛み合っていないのが気になった。
(『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』 THE MUMMY 監督/アレックス・カーツマン 脚本/デヴィッド・コープ、クリストファー・マッカリー、ディラン・カスマン 撮影/ベン・セレシン 音楽/ブライアン・タイラー 出演/トム・クルーズ、アナベル・ウォーリス、ソフィア・ブテラ、ジェイク・ソンソン、コートニー・B・ヴァンス、マーワン・ケンザリ、ラッセル・クロウ 2017年 110分 アメリカ)
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2013年のボストンマラソンで起きた爆弾テロ事件の顛末を描く実録ドラマ。題材からして単純に娯楽アクションとして面白いと言うのは躊躇われるが、痛みを伴った銃撃描写、犯人捜索の犯罪映画的な盛り上がり、実録ものならではのリアリティあふれるディティールが巧みに描かれて緊張感が途切れない。予想以上に良かった。後半、犯人が逃走を始めてからのモタモタした感じに妙なリアリティがある。刑事役のマーク・ウォールバーグは主人公というよりも犯罪ドラマと人間ドラマを結ぶ役割で、彼の親しみやすさが映画を見やすくしていると思う。マーク・ウォールバーグはコメディでもシリアスでも常に全力投球でいいなあ。『ブギーナイツ』からずっと贔屓にしてます。
(『パトリオット・デイ』 PATRIOTS DAY 監督/ピーター・バーグ 脚本/ピーター・バーグ、マット・クック、ジョシュア・ゼトゥマー 撮影/トビアス・シュリッスラー 音楽/トレント・レズナー、アッティカス・ロス 出演/マーク・ウォールバーグ、ジョン・グッドマン、ケヴィン・ベーコン、J・K・シモンズ、ミシェル・モナハン、ヴィンセント・カラトーラ、アレックス・ウォルフ 2016年 133分 アメリカ)
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『ジョン・ウィック』(チャド・スタエルスキー)
キアヌ・リーブスの新たな当たり役となってシリーズ化を果たした『ジョン・ウィック』。監督のチャド・スタエルスキーはスタント・コーディネーター出身とのことで、格闘+銃撃戦の凝ったアクション演出を見せてくれる。面白かったことは面白かったんだけど、何だかこれで良いのかなという疑問(?物足りなさ?)も残った。引退した凄腕の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)が、亡き妻が残した愛犬を殺されたことからロシアン・マフィアに戦いを挑む・・・というお話に何らリアリティが感じられないからか。それとも主人公が強すぎるからか。これブロンソンだったらどんな感じだったろうか、とか考えてしまった。ジョン・レグイザモ(盗難車を解体する店のオーナー)、ウィレム・デフォー(主人公の旧友であるベテランのスナイパー)、デヴィッド・パトリック・ケリー(裏世界の「掃除屋」)ら脇役の顔ぶれが楽しい。
(『ジョン・ウィック』 John Wick 監督/チャド・スタエルスキー 脚本/デレク・コルスタット 撮影/ジョナサン・セラ 音楽/タイラー・ベイツ、ジョエル・J・リチャード 出演/キアヌ・リーブス、ミカエル・ニクヴィスト、アルフィー・アレン、エイドリアンヌ・パリッキ、ブリジット・モイナハン、ジョン・レグイザモ、ウィレム・デフォー 20147年 101分 アメリカ)
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