Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『Mr.インクレディブル』(ブラッド・バード)

Mr.インクレディブル [DVD]

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 続編公開を前に、『Mr.インクレディブル』(2004年)を再見。家族で鑑賞。スーパーヒーローが活動を禁じられた世界。引退したスーパーヒーロー、Mr.インクレディブルもパワーを持て余しながら、妻と子供たちとともに一般市民として地道に暮らしていた。元ヒーローたちが次々と行方不明になる事件が発生して・・・というお話。改めて見ても快テンポの演出は古びていない(既に14年も前の作品なのだ)。「ヒーローもの」というジャンルに対する批評性が(勿論、愛も)あるし、何より動きで見せる漫画映画の楽しさに溢れているのがいい。


 本作はほとんど同じ設定で展開するシリアスな大作『ウォッチメン』とセットで見ると実に面白いと思う。また「特殊能力を持たない一般人がスーパーヒーローに憧れて暴走する」悪役キャラの造形など『キック・アス』(またはその合わせ鏡である『スーパー!』)と比較すると面白い。


 「ヒーローもの」というジャンルのお約束ありきの世界観ではあるので、一緒に見ていた娘には若干分かりにくい部分があるようだった。(冒頭の「ヒーローが活動を禁じられている世界」という設定や、故に子供たちが親から特殊能力の使用を禁じられている部分など)さておき、続編が楽しみだ。


(『Mr.インクレディブル』 THE INCREDIBLES 監督・脚本/ブラッド・バード 音楽/マイケル・ジアッキノ 出演(声)/クレイグ・T・ネルソン、ホリー・ハンター、サラ・ヴォーウェル、スペンサー・フォックス、エリザベス・ペーニャ (吹替)三浦友和黒木瞳綾瀬はるか 2004年 115分 アメリカ)