Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『ぐうたらバンザイ!』(イヴ・ロベール)

 

 イヴ・ロベール監督『ぐうたらバンザイ!』(1968年)鑑賞。図書館から借りたDVD。

 

 奥さんから奴隷のようにこき使われていた農夫(フィリップ・ノワレ)が、奥さんの死後一切働くことをやめて引き篭もる。農夫はベッドから出ず、代わりに飼い犬が籠をくわえて買い物に出かけていく。男のぐうたらぶりは村中に伝播して、大人も子供も仕事や学校をサボりまくる・・・という超牧歌的なフレンチ・コメディ。1968年(アメリカン・ニューシネマの時代だ)にしてこれ?という驚くばかりの大らかさというか、のん気な映画だった。たまにはいいですよ、こういうのも。

 

 主演は『ニューシネマ・パラダイス』の映写技師役で知られるフィリップ・ノワレ。ヌボーッとした風貌が役にピッタリで、ぐうたらぶりを発揮する場面の実に楽しそうなことよ。監督は『わんぱく戦争』のイヴ・ロベール。『わんぱく戦争』同様に子供たちが実に生き生きと描かれていて楽しい。クラスみんなで申し合わせてサボりをかます場面とか実に可笑しい。

 

 主人公のぐうたらぶりと、もう一つの見どころは主人公の飼い犬。とにかくお利口さんで可愛いのだ。ロベールも愛情たっぷりに撮っている。オープニングなんてメロウな歌をバックにして何故かまるまる犬の映像なんで笑った。実は主役はあのワンちゃんか。