Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『カーズ』(ジョン・ラセター)

カーズ [DVD]


『カーズ』 CARS


 監督・脚本/ジョン・ラセター
 音楽 ランディ・ニューマン
 出演(声)/オーウェン・ウィルソンポール・ニューマンチーチ・マリン、ジェニファー・ルイス、ポール・ドゥーリイ
  (2006年・122分・アメリカ)


 未見だったピクサー・アニメ『カーズ』(2006年)見る。こちとらカーズと言えば「ユー・マイト・シンク」かってなもんだが、それとは何の関係も無い(当たり前だ)。


ハートビート・シティ

ハートビート・シティ


 舞台となるのは、登場するキャラクターが全て擬人化された車という世界。虫までが車なのには笑った。ピクサー・アニメならではの、隅々まで神経の行き届いた映像を楽しめる。


 お話は「自信過剰な主人公が、田舎町の住人たちと触れ合ううちに人間性に目覚め成長していく・・・」というパターンで、極めてシンプル。個性的なキャラクターたち、見せ場となるカーアクションのスリル、爽やかな後味など、「良質なアメリカ映画ここにあり」と言いたくなるよう見事な仕上がり。主人公の名がマックィーンだったり、重要なキャラクターの声をポール・ニューマンが担当していたり、カーレース狂だったハリウッドスターをフィーチャーしているのもニクい。いかんせんアメ車へのマニアックなこだわりや、ふわふわしたぬいぐるみ的可愛らしさのキャラクターが出てこないところなど、女子には若干とっつきにくい映画かもしれない。


 唯一不満を述べるとするならば、エンディングがちょっとくどいなあと思った。ピクサー・アニメを見るといつも感じるのだけれど、CGアニメキャラクターのNG集とか、過去の自社作品のパロディとか、ちょっとやり過ぎというか、内輪ネタが過ぎてどうも悪趣味だなあと思ってしまうのであった。


 それはさておき。音楽はピクサー・アニメ常連のランディ・ニューマン。オールディズのロックンロールが鳴り響く世界なんで、いつものゴージャス感は薄いけれど、ノスタルジックなメロディの故郷賛歌「Our Town」(歌ジェームス・テイラー)はこれぞランディ・ニューマンという名曲だ。


360817902

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