Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『自由なメロディー』(はちみつぱい、ムーンライダーズ)


 ムーンライダーズのドラマー、かしぶち哲郎氏のレーベルmoldau diskより2009年10月にリリースされたシングル『自由なメロディー』はちみつぱいムーンライダーズ移行時期に録音されお蔵入りになっていた幻の曲だ。はちみつぱい・ヴァージョンとムーンライダーズ・ヴァージョンの2タイプが収録されている。カントリーっぽいサウンドは、後期はちみつぱいとも初期ムーンライダーズとも異質な雰囲気で、バンドの移行時期の試行錯誤を伝える貴重な発掘音源となっている。


 M-1.「自由なメロディー」はちみつぱい・Version(作詞・作曲/かしぶち哲郎
 M-2.「釣り糸」Live(作詞・作曲/かしぶち哲郎
 M-3.「紡ぎ歌」Live(作詞・作曲/かしぶち哲郎
 M-4.「僕の幸せ」(作詞/松本圭司 作曲/渡辺勝)
 M-5.「自由なメロディー」ムーンライダーズ・Version(作詞・作曲/かしぶち哲郎
 


 カップリングのM-2「釣り糸」(オリジナルははちみつぱいの『センチメンタル通り』収録)、M-3「紡ぎ歌」(オリジナルはムーンライダーズのファースト・アルバム収録)はそれぞれ1974年のライヴ音源を収録。M-3はオリジナルのリリース以前、はちみつぱいの解散コンサートの音源だ。M-4「僕の倖せ」は、はちみつぱいのシングル用にかしぶち氏のヴォーカルで録音され、お蔵入りとなっていたヴァージョン。


 かしぶち氏の2010年の仙台公演では、「自由なメロディー」をオリジナルよりテンポを落とした弾き語りで披露。何とも素朴で味わい深い演奏だったのを思い出す。ムーンライダーズを仙台で見る夢はついに果たせなかったけれど、かしぶちさん、そしてライダーズの皆さん、いつか仙台でのライヴをお願いします!