Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

「俺、存在した? ちゃんと存在した?」とか、その他

リリス [DVD]

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 昨年亡くなった友人が遺した小説を読み終えた。実は、その感想を書き記したくてブログを再開したのだったが、どうにも上手く感想をまとめることが出来なくて。小説だけの感想を書けば良いのだろうと思いつつ、やはりどうしてもその友人の話、になってしまう。これが予想以上に辛くて。


 話変わって。先日『キャット・ピープル』を発見した某中古屋に再び立ち寄ったら、今度はロベール・ロッセンの『リリス』を発見。『映画の生体解剖−恐怖と恍惚のシネマガイド−』や、昨年出た『鬱な映画』(洋泉社MOOK)で取り上げられていて、絶対に見たいと思っていた作品なので迷わず購入。嬉しいなあ。でも、これ、いつどういうタイミングで見れば良いのか、迷う。真剣に迷う。


 話変わって。知人のバンドのLIVEでカウント・ベイシーをやるというので、予習に1963年のアルバム『THIS TIME BY BASIE!』を聴いてみた。当時のヒット曲をビッグ・バンド・アレンジで演奏したアルバムで、アレンジャーは、クインシー・ジョーンズ!JAZZは詳しくないんだけど、このアルバムはヘンリー・マンシーニの「Moon River」をはじめ、映画音楽のカヴァーも収録されていて親しみやすい。これをどんな風に再現するのか、LIVEが楽しみだ。


 話変わって。昨夜、TVを付けたら黒沢清監督の『ニンゲン合格』(1999年)をやっていたので、後半を再見した。交通事故で昏睡状態だった主人公が目覚めて・・・というキング/クローネンバーグの『デッドゾーン』みたいなお話が、ペキンパーの『砂漠の流れ者』の世界に着地するという映画で、劇場で見た当時は凄いことをするなあと感心したものだ。改めて見直してみると(そういった映画ヲタの楽しみは別として)、しみじみいい映画だなあと。暗がりに人物が浮かび上がるショット(本作に続く『回路』を予見させる)が醸し出す、儚さ。散り散りになっていた家族がTVのモニター越しにふと顔を合わせる名場面。哀川翔菅田俊、リリィら脇役たちの存在感。何より、主人公(西島秀俊)が最後につぶやく台詞「俺、存在した? ちゃんと存在した?」が良いのだ。それを受けた役所広司が、ゆっくりと力強く肯定するのがまた良くて。泣く。


ニンゲン合格 [DVD]

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