Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『アメリカ映画100シリーズ 60年代アメリカ映画100』(芸術新聞社)

60年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)

60年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)


 10年間に公開されたアメリカ映画から100本をセレクトし、作品とその時代を検証する『アメリカ映画100』シリーズ(芸術新聞社)、『アメリカ映画100シリーズ 60年代アメリカ映画100』。60年代アメリカといえば公民権運動、ベトナム戦争、カウンター・カルチャーの時代。ニューシネマ、70年代に向けてのアメリカ映画の変革(見方によっては劣化)が始まった時代だ。コラムの執筆者は川本三郎大久保賢一、原田眞人、大森さわこ、芝山幹郎らお馴染みの面々に、柏原寛司(脚本家)がアクション映画を語り、名著『レッドパージ・ハリウッド』の上島春彦がヘイズ・コードの撤廃について語り、小野耕世と郄平哲郎の対談も収録されている。編集は石澤治信、渡部幻。紹介されている作品は、


アメリカの影』『お熱いのがお好き』『悲しみは空の彼方に』『リオ・ブラボー』『真夏の夜のジャズ』『サイコ』『アパートの鍵貸します』『スパルタカス』『エルマー・ガントリー』『G・I・ブルース』『ハスラー』『ウエスト・サイド物語』『ニュールンベルグ裁判』『ワン・ツー・スリー』『荒馬と女』『ティファニーで朝食を』『噂の二人』『草原の輝き』『片目のジャック』『底抜けもててもてて』『101匹わんちゃん大行進』『樹々の大砲』『影なき狙撃者』『ロリータ』『何がジェーンに起ったか?』『奇跡の人』『アラバマ物語』『昼下りの決斗』『リバティ・バランスを射った男』『史上最大の作戦』『野望の系列』『明日になれば他人』『アメリアメリカ』『ハッド』『大脱走』『鳥』『ショック集団』『血の祝祭日』『たたり』『アルゴ探検隊の大冒険』『ピンクの豹』『博士の異常な愛情』『5月の7日間』『未知への飛行』『質屋』『クール・ワールド』『リリス』『裸のキッス』『殺人者たち』『マイ・フェア・レディ』『イグアナの夜』『赤死病の仮面』『不意打ち』『ラブド・ワン』『ファスタープッシーキャットキル!キル!』『コレクター』『サウンド・オブ・ミュージック』『キャット・バルー』『シェナンドー河』『ミッキー・ワン』『セコンド』『バージニア・ウルフなんかこわくない』『グループ』『ミクロの決死圏』『銃撃』『テキサスの五人の仲間』『俺たちに明日はない』『卒業』『殺しの分け前 ポイント・ブランク』『チチカット・フォーリーズ』『ドント・ルック・バック』『暴力脱獄』『冷血』『ある戦慄』『特攻大作戦』『夜の大捜査線』『招かれざる客』『ドアをノックするのは誰?』『プロデューサーズ』『2001年宇宙の旅』『ウエスタン』『猿の惑星』『太平洋の地獄』『フェイシズ』『泳ぐひと』『華やかな情事』『愛すれど心さびしく』『殺人者はライフルを持っている』『絞殺魔』『ローズマリーの赤ちゃん』『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『キャンディ』『ブリット』『華麗なる賭け』『グリーティングス』『甘い抱擁』『レッド・ムーン』『おかしな二人』『明日に向って撃て!』『夕陽に向って走れ』『勇気ある追跡』『雨のなかの女』『泥棒野郎』『ジョンとメリー』『スヌーピーとチャーリー』『ワイルドバンチ』『真夜中のカーボーイ』『イージー・ライダー


 オールドハリウッドとニューシネマが混在する興味深いラインナップだ。見ているのは100本中、53本と約半分くらい。西部劇がたくさんあるが、これ以降減少の一途を辿る。60年代後半にはイタリアで、ハリウッド製西部劇への憧れから始まりその崩壊の一端を担うことになるマカロニウエスタンが誕生する。(本書では「アメリカ映画」として堂々と『ウエスタン』がセレクトされているのに注目)未見のもので気になるのは『5月の7日間』『チチカット・フォーリーズ』『雨のなかの女』あたり。


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