Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『ダーククリスタル』(ジム・ヘンソン、フランク・オズ) 

 

 

 ジム・ヘンソンフランク・オズ監督『ダーククリスタル』(1982年)鑑賞。早稲田松竹にてレイトショー。最終日とあってか、結構お客さん入ってた。高校時代に見て以来、久しぶりの再見。当時も見て面白いとは思ったものの、アニメ雑誌等の絶賛ぶりをみるとそこまで凄い映画かなあといまいち盛り上がれなかったというのが正直なところ。

 

 『ダーククリスタル』には生身の人間は登場せず、全てのキャラクターが人形(アニマトロニクス)表現されたダークファンタジー。舞台は3つの太陽が光り輝く惑星トラ。命を司るクリスタルが割れ、平和だった惑星に暗雲が垂れ込める。砕けたクリスタルの欠片を探すため、ゲルフリン族のジェンが冒険の旅に出る。

 

 今回再見して、改めてその素晴らしさに胸をうたれた。ライブでもアニメでもCGでも出し得ないであろう独特の質感。隅々まで神経の行き届いた異世界の構築、映像のスケール感(マペットが野山や荒野を進む引きの画が良い)。そして何と言っても、画面から溢れるマペット愛。次々登場する個性豊かなキャラクターたちを見ているだけで、楽しくて仕方が無かった。主人公たちと行動を共にする毛玉みたいな犬?が可愛くてな。古に2つに分かれた種族のつながりを表現する描写も印象に残る。

 

 本作が熱狂的に支持される理由が充分に理解できた。再見して良かった。