アマプラにて、フランチェスコ・ジッペル監督『フリードキン・アンカット』(2018年)鑑賞。言わずと知れた鬼才ウィリアム・フリードキンのドキュメンタリー。フリードキン自宅でのインタビューを中心に、監督作のメイキング映像、関係者へのインタビューなどで構成されている。
インタビュー映像にはコッポラ、フィリップ・カウフマン、タランティーノ、ウォルター・ヒル、ダリオ・アルジェント、エドガー・ライト、デイミアン・チャゼル、ウェス・アンダーソンら著名監督が次々登場してフリードキン作品の魅力を語る。ウェス・アンダーソンがフリードキン好きというのはちょっと意外だった。フィリップ・カウフマンは何と高校の同級生だったそうで、若きフリードキンの悪戯をエピソードを語る。『ワイルドバンチ』の脚本で知られるウォロン・グリーンも登場。(グリーンは『恐怖の報酬』『ブリンクス』の脚本を担当)
またエレン・バースティン、ウィレム・デフォー、ウィリアム・ピーターセン、マシュー・マコノヒー、ジーナ・ガーション、マイケル・シャノンら主演俳優たちがフリードキンの演出ぶりを述懐する。デフォーが物凄くいい人なのが伝わって来て楽しい。
フリードキンの映画には、今まさに発生した出来事を捉えたような迫真力がある。本作を見るとTVドキュメンタリー畑出身というところにフリードキン演出の特色がありそうだ。フリードキンのデビュー作となるTVドキュメンタリー『People vs Paul Crump』(1962年)も紹介される。
本作を見るとフリードキンが映画監督としてバイタリティ溢れるプロフェッショナルであることは充分に伝わってくる。しかしフリードキンがどういう人間なのかは良く分からないのであった。饒舌にいろんなことを吠えまくるけど、内面はまったく掴めなかった。