Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『私がやりました』(フランソワ・オゾン)

私がやりました [DVD]

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  • ナディア・テレスキウィッツ
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 フランソワ・オゾン監督『私がやりました』鑑賞。菊川Strangerにて。

 

 時は1935年。有名な映画プロデューサーが殺害され、逮捕された駆け出し女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)は裁判で正当防衛と女性の権利を主張。友人の弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)の弁護の元で見事に無罪を勝ち取った。一躍時の人となったマドレーヌだったが、そこにサイレント時代の人気女優だったオデット(イザベル・ユペール)が現れ自分が真犯人だと告げる。犯人の座を巡ってマドレーヌとオデットの争いが始まった・・・というミステリー・コメディ。

 

 出て来る男たちはみな間抜けばかりで、この辺はちょっと戯画化が過ぎる気もするけど、テーマは明快。女たちの勝利を謳い上げる結末が痛快だ。オゾン作品は数本しか見てないけど、ジャンルに耽溺しないフェイクっぽさというか、独特の軽さ魅力なのかな。主演2人は勿論、イザベル・ユペールが怪演するオデットなど女性キャラクターが実に生き生きと動き回るのが楽しい。

 

 それにしても駄目邦画みたいな邦題は何とかならなかったのかなあ。せっかく良い映画なんだから、もっとムードのある邦題にすればいいのにと思う。馬鹿邦画と言えば、オチの付け方などを見ると三谷幸喜あたりが目指して達成できずにいるのはきっとこういう映画なんだろうなと思う。