Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』(ジョナサン・デミ)

 

 トーキング・ヘッズのライヴ・ドキュメンタリー『ストップ・メイキング・センス』が4Kレストアされて劇場公開。『ストップ・メイキング・センス』は「音楽映画」と聞いて真っ先に思い出す大好きな作品。何と近所のシネコンでも上映されると知って速攻行ってきました。イオンシネマ市川妙典にて、IMAXで鑑賞。

 

 レストア版は映像・音質とも格段に向上、IMAXで見たので破壊力が凄かった。何度も見ている映画なのに新鮮に楽しめました。いやー最高だった。バンドメンバーの楽しげな表情、デヴィッド・バーンのエキセントリックなパフォーマンスもたっぷり楽しめて大満足。凝りに凝った照明や美術を押しつけがましくなくさらりと撮るのがジョナサン・デミの流儀。トーキング・ヘッズの最良の記録として、またライヴ・ドキュメンタリー映画のお手本として、今後とも語り継がれていくであろう素晴らしい映画だと改めて思いました。

 

 『ストップ・メイキング・センス』初見は1987年、確かキネカ大森だったと思う。平日の最終回でお客さんはまばらだった。「字幕出ないんだ」と思った記憶。今回のレストア版はちゃんと歌詞の字幕付きなのが嬉しかった。尖がった言葉の渦は良く分からないものも多いのだけれど。歌詞にも注目すると、本作のアップデート版とも言える『アメリカン・ユートピア』が非常にコンセプチュアルな選曲であったことが良く分かる。