Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

「主なくとも 梅は咲く ならば(もはや何者でもない)」とか、その他

Ciao!

Ciao!


 ムーンライダーズ35周年記念企画として、全アルバム・レビューをやってみました。ニュー・アルバムに間に合わせようと大分駆け足になってしまったけれど、昨日の『Tokyo7』にて無事終了。ライダーズの関連作品は他にもライヴ盤、アーカイヴ・シリーズ、数種類のベスト盤、メンバーのソロ・アルバム等、多数存在している。それらについても、これから順次感想を書き記していこうと思っております。


 ムーンライダーズというバンドについて、一言で説明するのはとても難しい。それにはいくつか理由があって、(1)35年の活動期間において、激しく音楽的な変遷を繰り返してきた。(2)6人のメンバー全員が作詞・作曲・編曲・ヴォーカルを担当するという珍しいバンドで、フロントマンが強烈なキャラクターで引っ張るワンマン・バンドではない。(3)TV等メディアへの露出が極端に少ない。(4)シングル・ヒット曲がない。(ベスト盤は多数存在するが、いわゆる「グレイテスト・ヒッツ」ではない)・・・。そんなこんなで、「ムーンライダーズってどんなバンド?」と聞かれた時に一言で説明するのはかなり困難だ。これはファンの皆さんは少なからず経験した事ではないだろうか。しかしそれ故に、知れば知るほど面白味が増す奥の深いバンドでもある。今回の活動休止宣言でひとつの区切りとなったが、これからムーンライダーズを聴き始めるという新しいファンは、彼らが35年間に築き上げた宝の山を末永く楽しめる事だろう。


 さて、本日(12/14)ムーンライダーズのニュー・アルバム『Ciao!』がリリースされた。CDリリースを待ちきれずに先行のネット配信で聴いてみたところ、これが2000年以降のどのアルバムにも似ていない全く異質なサウンドだったので心底驚いた。メンバーのソロ色すら分からぬくらい「ムーンライダーズ」がカタマリとなって音を鳴らしているという印象。ラスト・アルバムなんて辛気臭さはこれっぽっちもない。やっぱり凄い人たちだなあと改めて尊敬の念を深くした次第。『Ciao!』については思うところがありすぎてすぐに感想をまとめられそうにないので、詳細は後日改めてレビューします。


 ニュー・アルバムと同日にリリースされたのが鈴木慶一氏のデモ音源集『THE LOST SUZUKI TAPES Vol.2』、ヴォーカロイドによるカヴァー・アルバム『初音ミク plays 月光下騎士団(ムーンライダーズ)』。過去のソロ関連作品もリイシューされる模様。手元に無い作品も多いので楽しみだ。


The Lost SUZUKI Tapes 2

The Lost SUZUKI Tapes 2

初音ミク plays 月光下騎士団(ムーンライダーズ)

初音ミク plays 月光下騎士団(ムーンライダーズ)