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『荒野のお尋ね者』 SETTE WINCHESTER PER UN MASSACRO
監督・脚本/E・G・ローランド(エンツィオ・G・カステラッリ)
撮影/アルド・ペネリ
音楽/フランチェスコ・デ・マージ
出演/ガイ・マディソン、エド・バーンズ、ルイーズ・バレット、トーマス・ムーア、リク・ボイド
(1966年・96分・イタリア)
久々にマカロニウエスタン鑑賞。ヴァモス・ア・マタール商會からリリースされた「マカロニ・ウェスタン マニアックス 特命篇」の一本、エンツィオ・G・カステラッリ監督『荒野のお尋ね者』(1966年)。カステラッリと言えば、クェンティン・タランティーノが『イングロリアス・バスターズ』で敬意を表明したイタリアの娯楽監督。『イングロリアス・バスターズ』のネタ元となった戦争映画『地獄のバスターズ』をはじめ、マカロニウエスタン、刑事アクションなどそのフィルモグラフィーは娯楽路線まっしぐらだ。個人的にはマカロニ後期の『ケオマ・ザ・リベンジャー』(1977年)、イタリアン・アクション『死神の骨をしゃぶれ』(1973年)などフランコ・ネロとのコンビ作が印象深い。『荒野のお尋ね者』はカステラッリのデビュー作(当時28歳)で、クレジットはアメリカ風の変名「E・G・ローランド」となっている。
舞台は例によって南北戦争終了後のテキサス。南軍の将校だったブレーク大佐(ガイ・マディソン)は、ならず者集団を率いて略奪と殺戮を繰り返していた。敗北を認めないブレーク大佐は、南軍の復活を狙い20万ドルの軍資金のありかを探し求めている。その隠し場所を知るという若者スチュアート(エド・バーンズ)が仲間に加わろうとするが・・・。
主演はTV『サンセット77』で人気を博したエド・バーンズが出稼ぎ出演。同じTV界出身の出稼ぎ組イーストウッドなどに比べるといかにも迫力に欠けるが、薄汚いマカロニ野郎の中で珍しくこざっぱりとしたスタイルはいかにもアメリカンな明朗さを醸し出している。荒くれ者の中に入り込む謎の女を演じているのはルイーズ・バレット。いかにもアメリカンなバーンズに比べ、こちらはいかにもイタリアンな顔つき。
全体的にテンポが良いし、岩場で音を立てないように馬の蹄に布を巻いて敵陣を進んだりする細かい工夫や、スチュアートと謎の女の正体、クライマックスのインディアン墓地での銃撃戦、墓地に隠された軍資金の中身、等々、ありがちっちゃあありがちだけど、若きカステラッリの意欲的な演出ぶりが楽しめる。70年代のこってりとした作品もいいけれど、まだ軽さを感じさせる本作も悪くない。
本作一番の魅力は、何と言ってもフランチェスコ・デ・マージの音楽だ。デ・マージの勇壮な音楽がマカロニ気分を最大限に盛り上げてくれる。テーマ曲(歌はマカロニ・ファンにはお馴染みのラオール)も味わい深い。
- アーティスト: フランチェスコ・デ・マージ,サントラ
- 出版社/メーカー: Ward Records
- 発売日: 2009/12/23
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