Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

終の棲家って

 子供が大きくなってきて、さすがに住居が手狭になったので転居先を探している。これまで自分が経験した転居は10回。主に仕事の事情により、東日本を転々としてきた。生まれ育った秋田県湯沢市から始まり、千葉県野田市、東京都北区滝野川、東京都北区王子、東京都杉並区荻窪茨城県水戸市、東京都荒川区北千住、千葉県船橋市、千葉県市川市宮城県仙台市、そして現在住んでいる千葉県某所での生活も早5年目となる。


 転居というのはものすごくパワー(とお金)を要する作業だ。独身時代は大量の本やCD等をどう移動・収納するかというのが一番の課題だった。いまはそれにとどまらない様々な課題をクリアしなければならない。家探しや引越しの段取りはもちろんのこと、転居してからは新しい土地、新しい人間関係、転勤ならばこれに新しい職場、新しい仕事が加わって、また一からやり直しかと思うと、実際気が重い。自分の場合は転居の回数は多いけど、所詮東日本をうろうろしてるだけなんで、例えば海外赴任とか経験している人はさぞ大変な思いをされてることと思う。


 故郷を離れてから長いこと流れ流れて生活してきたので、正直言って「定住する」「終の棲家となる」家というのが上手くイメージできないでいる。四つ下の弟は結婚していち早く宮城に家を構えた。友人たちも一軒家だったりマンションだったり様々だけれど、それぞれ家を構えている人が多い。転勤を伴うとはいえいつまでも賃貸で暮らし続けるのは嫌だという家人の意見もあり、手狭になった現在の部屋からステップアップするべく、誠意努力中。面倒だとか何とか言っていても仕方がない。環境が変わることを前向きに捉えて、家探しに取り組んでいるところだ。


 いい家が見つかって、無事に転居を終えて、妻の心に平和が訪れますように、娘がより良い環境で成長できますように。さて、11回目の引越しはどこへ。もしや本当に「終の棲家」になるかもしれんとも思う。