Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『プリキュアスーパースターズ!』(池田洋子) 

「映画プリキュアスーパースターズ!」オリジナルサウンドトラック

「映画プリキュアスーパースターズ!」オリジナルサウンドトラック


 貴重な休日、『レディ・プレイヤー1』『ペンタゴン・ペーパーズ』のスピルバーグ新作ハシゴを目論んでいたのだが、諸々の調整に失敗してあえなく挫折。娘の強い要請により、『ボス・ベイビー』とどっちにするという厳しい二択を迫られた挙句、『プリキュアスーパースターズ!』を見るはめに。


 人気アニメ「プリキュア」シリーズ、TV版は娘に付き合わされて何度か見たことがある。これっていわゆる「魔法少女もの」のバリエーションだと思うけど、どうも解せなかったのは、何で悪と闘わなきゃならんのかなあということだった。その点は劇場版を見て一気に解消した。開始前に堂々と現れる「東映」マーク。東映といえば子供向けなら「仮面ライダー」や「戦隊シリーズ」、古くは時代劇ややくざ映画のアクション路線、そうか「東映イズム」だったのか、そりゃ闘うよなあと妙に納得した次第。加えて本作では悪役の声を北村一輝が担当していたりして、いっそうその感を強くしたのであった。


 本作は入場時、子供たちにペンライトのようなものが配られる。劇中で主人公たちがピンチに陥ると「光のパワーをください!」と呼びかけがあり、子供たちがペンライトの明かりを点して応援するという趣向が盛り込まれている。映画館の暗闇にペンライトの明かりが瞬き子供たちの歓声があがる様子はなかなか愉快で、子供たちを飽きさせない工夫としてこれはアリだろうと思った。こういった体験の積み重ねが、子供たちに「映画館で見ると楽しい」という印象を残し、成長してからも抵抗無く映画館に行くようになれば良いなあと思う。


 内容はね・・・・「約束を破ってはいけない」「皆で協力しあえば困難を乗り越えられる」と大事なことを訴えてましたよ・・・。


(『プリキュアスーパースターズ!』 監督/池田洋子 脚本/米村正二 撮影/五十嵐慎一 音楽/林ゆうき 出演(声)/引坂理絵本泉莉奈小倉唯多田このみ野田順子北村一輝小野賢章 2018年 70分 日本)