Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(ジェイソン・ライトマン)

 

 アマプラでジェイソン・ライトマン監督『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021年)鑑賞。オリジナル版は子供の頃に見て楽しかった記憶があります。バスターズの面々がとぼけたおっさん4人組というのが好きだった。子供の頃の感覚でも何となく間延びしているような印象がありましたが、大人になってから再見して(コメディとはいえ)こんなにユルい映画だったかと呆れましたね。『2』もしかり。

 

 ちなみにポール・フェイグ監督による、メンバーを女性に刷新してのリブート版『ゴーストバスターズ』(2016年)は、ゆるゆるだったオリジナル版よりずっとちゃんとした映画だったと思います。身体はいいが頭空っぽな秘書をマイティ・ソーことクリス・ヘムズワースが演じてるのがツボでした。

 

 本作の監督は、オリジナル版の監督アイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマン。家賃滞納でアパートを追い出されたシングルマザーと2人の子供が、疎遠だった父親の残した田舎の荒れ果てた家に移り住む。科学オタクで人見知りの妹の学校生活と、兄のバイト先でのあれこれ、母と担任のやり取りなどを描く前半部分は、コミカルな現代劇を得意とするジェイソン・ライトマンだけに、キャラクターが生き生きしていて楽しい。なんだけど、活劇として始動するまでちょっと時間がかかり過ぎかなとは思いました。オリジナルバスターズが再登場するクライマックスもそこまで盛り上がらないのは、活劇としての呼吸がいまいちなせいかなと。活劇には、軽妙な人物スケッチの上手さとはまた別の才能が必要なのかなと思います。

 

 『ゴーストバスターズ』の正統的な続編を作るにあたり、本作ではオリジナルバスターズのイゴン博士(ハロルド・ライミス)の孫娘フィービー(マッケナ・グレイス)を主人公としたジュブナイル路線に変更しています。これは大正解だと思いました。フィービーと仲間が、博士が残したグッズを見つけ出して、幽霊退治に乗り出す過程はとても楽しい。フィービー役の眼鏡っ子マッケナ・グレイスが可愛い。兄トレヴァー役のフィン・ウルフハードも変わったルックスで印象に残ります。彼らの活躍はもっと見たかったですね。

 

ゴーストバスターズ/アフターライフ』 Ghostbusters: Afterlife      

監督/ジェイソン・ライトマン 脚本/ギル・キーナン、ジェイソン・ライトマン 撮影/エリック・スティールバーグ 音楽/ロブ・シモンセン

出演/マッケナ・グレイス、キャリー・クーン、フィン・ウルフハード、ポール・ラッド、ローガン・キム、セレステ・オコナー

2021年 アメリ