ジャン=ポール・ベルモンドとアラン・ドロン、2大スター共演のギャング映画『ボルサリーノ』(1970年)を久々に再見。その昔TVの吹替洋画劇場で見て、「雰囲気は良いのになんかつまんないな」と思った記憶があります。再見してもその印象は変わらず。ラグタイム調の音楽と凝った美術は楽しいけれど、どうも演出が平坦で活劇として弾まない。登場人物が棒立ちで会話を交わす場面が延々続く印象すらある。ドロンのお抱え監督であるドレーの限界なのかな。
主人公であるシフレディ(ドロン)とカペラ(ベルモンド)の出会いは女を巡る争いで、殴り合って友情が芽生えたりするお約束の展開。魚市場を巡る争いなど、基本はコメディタッチ。が、ギャングの抗争が始まるとシリアスなタッチになり、ばんばん人が死ぬし、ラストも何だか割り切れないまま終わりを迎えます。ううむ、これはもしやTV放映用に20分位カットされて、日本語吹替版(もちろん山田康雄&野沢那智)で見た方が面白かったかもしれないなあ。
『ボルサリーノ』 BORSALINO
監督/ジャック・ドレー 脚本/ジャン=クロード・カリエール、クロード・ソーテ、ジャック・ドレー、ジャン・コー 撮影/ジャン=ジャック・タルベ 音楽/クロード・ボラン
出演/ジャン=ポール・ベルモンド、アラン・ドロン、ミシェル・ブーケ、カトリーヌ・ルヴェル、フランソワーズ・クリストフ、クリスチャン・ティリティレ
1970年 フランス/イタリア