Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

『サンリオSF文庫総解説』(牧眞司+大森望編)

サンリオSF文庫総解説

サンリオSF文庫総解説


 昨年の暮れ、久しぶりに本屋に行ったら『サンリオSF文庫総解説』なるムックが平積みされていて仰天しました。奇しくも「SF読みたいなあ」と考えて本屋に入ったので、嬉しくなって即購入。今や入手困難なサンリオSF文庫の全作品解説、山野浩一氏をはじめとする当時の関係者へのインタビュー等、充実の内容です。図版は小さいながら、あの特徴的なイラストの表紙が見られるのも懐かしかったなあ。


 サンリオSF文庫は1978年から1987年まで、マニアックなラインナップの海外SFを次々出版し熱狂的なファンを獲得しました。サンリオというのはあのキャラクターのサンリオで、70年代後半には映画や出版等の事業も行っていたのですね。1978年といえばまだ小学生だったので発足当時のことは記憶にないけれど、高校〜大学生時代にはちゃんと本屋に並んでいたのを覚えています。ちょうどあの頃は、興味の対象がSFよりもハードボイルド・ミステリーに向いていたのと、大学では日本の純文学に集中していたこともあり、ちょっとSF離れをしていた時期でした。なので、手元にあるサンリオSF文庫はわずかに7冊(ディック5冊と、バラード1冊、大分後に古本市で買ったオールディス1冊)のみ。本書によると、サンリオSF文庫として刊行されたのは全部で197冊というから、たった7冊とは何とも寂しい限り。学生の頃に頑張ってもっと買っておくんだった!という悔しさもありますが、どちらかと言えば、リストを見て「自分が読んでいない面白そうな小説がまだまだたくさんあるじゃないか!」と嬉しくなりました。そんな訳で、今年はSFを読みまくろうと思っております。