Fool in Trance

それはあった。それは二度とないだろう。思い出せ。

2015-01-01から1年間の記事一覧

『アーリーデイズ1975-1981』(ムーンライダーズ)

ムーンライダーズの初期音源集『アーリーデイズ1975-1981』(2014年12月17日リリース)について。CD三枚組で、DISC1と2は1975年の結成時から1977年までの未発表ライヴ音源、DISC3にはライダーズがバッキングを務めた楽曲と『カメラ=万年筆』のデモ音源が…

『裸のジャングル』(コーネル・ワイルド)

コーネル・ワイルド監督・主演『裸のジャングル』(1966年)鑑賞。町山智浩氏の名著『トラウマ映画館』で紹介されていたのを読んで、是非見てみたいと思っていた作品です。 舞台はアフリカ、象牙を目的にやってきた白人ハンターたちが原住民とトラブルを起こ…

『コーヒーと恋愛』(獅子文六)

獅子文六『コーヒーと恋愛』(1963年)読了。獅子文六については名前しか知らず、これまで読んだことがありませんでした。本屋さんで本書(ちくま文庫版)を見つけ、このタイトル、そして曽我部恵一氏の解説を見て、読んでみようと手に取りました。人が死な…

『ワイルド・ビル』(ウォルター・ヒル)

ウォルター・ヒルついでにもう一本。実在した保安官ワイルド・ビル・ヒコックを描いた西部劇『ワイルド・ビル』(1995年)について。日本劇場未公開。 映画はワイルド・ビル・ヒコックの葬儀に始まり、彼の晩年と死に到る経緯が描かれていきます。そこで描か…

『サザン・コンフォート/ブラボー小隊恐怖の脱出』(ウォルター・ヒル)

ウォルター・ヒルついでに『サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出』(1981年)について。ヒルが絶好調だった80年代前半の作品で、日本劇場未公開。TV放映時の「ブラボー小隊・恐怖の脱出」の邦題で知られていた一作で、アクション映画ファンの人…

『バレット』(ウォルター・ヒル)

ウォルター・ヒル監督の近作『バレット』(2012年)について。見たの大分前なんですが、感想を書き記しておきます。 監督は久々のウォルター・ヒル、主演はシルベスター・スタローン。『エクスペンタブルズ』などでいまだ気を吐くスタローンですが、一方ヒル…

予想はしていたが

通勤電車で平山夢明氏のエッセイ集『どうかと思うが、面白い』を読み始めたんですが、笑いをこらえるのが困難で、数ページも読まない内に挫折。こうなるの予想してはいたけれど、電車の中で読むなんてやっぱり無理でした・・・。 どうかと思うが、面白い作者…

『インヒアレント・ヴァイス』(ポール・トーマス・アンダーソン)

見てから大分時間が経ってしまいましたが、ポール・トーマス・アンダーソンの最新作『インヒアレント・ヴァイス』について。(5月4日、ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞) 舞台は1970年、主人公はロサンゼルスに住むマリファナ中毒のヒッピー探偵ドック…

『キャリー』(スティーヴン・キング)

スティーヴン・キングの長編処女作『キャリー』Carrie(1974年)読了。キング再訪の一環として・・・と言いたいところですが、実はこれが初読となります。初期の長編は『呪われた町』『シャイニング』『デッドゾーン』『ファイアスターター』、リチャード・…

『極道大戦争』(三池崇史)

1人撮影所のごとき異常なペースで量産を続ける三池崇史監督の新作『極道大戦争』。6月末に千葉県某所のシネコンで見たんですが、完璧に貸し切りでしたよ!ちなみに貸し切り鑑賞は二度目のことで、最初は仙台市の某シネコンで見た『フェイクシティ ある男のル…

見てない映画は全部新作、とかその他

お盆休みは2泊3日のスケジュールで秋田の実家に帰省しました。2泊3日といっても、行きと帰りに10時間の長距離ドライブがあるので、ゆっくりできたのは実質1日だけでしたが。暑さは心配していたほどではなくて、朝晩はひんやりした空気で過ごしやすい東北の夏…

『泰平ヨンの未来学会議』(スタニスワフ・レム)

ポーランドのSF作家、スタニスワフ・レムの『泰平ヨンの未来学会議』KongresFuturologiczny(1971年)読了。映画化作品『コングレス未来学会議』公開に合わせて文庫化された「改訳版」にて。 泰平ヨンの冒険を描くシリーズものの1本とのことですが、これま…

『羅生門』(黒澤明)

今年の劇場鑑賞1本目は、黒澤明の『羅生門』(1950年)でした。実はリチャード・リンクレイターの『6才のボクが、大人になるまで。』を見ようと近所のシネコンに出掛けたところ、上映時間を間違えたのか午前中の回をやっていなくて、やむを得ず「新・午前十…

『昼顔』(ルイス・ブニュエル)

ルイス・ブニュエル監督の『昼顔』再見。ヒロインは若い外科医(ジャン・ソレル)の妻セヴリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。彼女は冷感症で、優しい夫を愛していながら夫の欲望に応えられない不満と不安に苛まれている。ふとしたことから上流階級の婦人たち…

『戦争プロフェッショナル』(ジャック・カーディフ)

アフリカの某国政府軍に雇われた傭兵の活躍を描いた戦争アクション。『戦争プロフェッショナル』と言いながら、作戦が失敗する様が描かれ(『ワイルド・ギース』なんかもそうだったっけ)、主人公は最後に仕事を辞める事を示唆して終わります。女子供関係な…

将来は

娘(3歳3ヶ月)が青い表紙の本を抱きしめて眠っていたので、何の絵本かと思ったら、村上春樹『辺境・近境』だった・・・。将来はハルキストか。『国境の南、太陽の西』じゃなくて良かった。 辺境・近境作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/02…

キングといえば

ドクター・スリープ 下作者: スティーヴンキング,Stephen King,白石朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/06/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (20件) を見る キングについて書いて思い出した話。10数年前のこと、足立区某所の商店街を友人とほろ…

キング再訪

ドクター・スリープ 上作者: スティーヴンキング,Stephen King,白石朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/06/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (20件) を見る スティーヴン・キングの新作『ドクター・ スリープ』は、なんと!『シャイニング』の…

『でんぱコネクション』『でんぱコネクションフレンチ』(井口昇)

WWDD (通常盤)アーティスト: でんぱ組.inc出版社/メーカー: トイズファクトリー発売日: 2015/02/18メディア: CDこの商品を含むブログ (6件) を見る 今年のでんぱ組.incはTVの歌番組やCM等メディアへの露出が格段に増え、ワールドツアーも決行、と勢いが…

『ストリート・オブ・クロコダイル』(スティーブン・クエイ、ティモシー・クエイ) 

水曜の夜、学生時代の先輩であるGさん、Kさん、Mさんと久しぶりに飲んできました。皆さんとお会いするのは、約10年ぶり。皆さんお元気そうで何よりでした。Mさんは上半身がガッチリと逞しくなり、あごひげなぞたくわえて別人みたいでした。Gさんは体型…

『ジャージー・ボーイズ』(クリント・イーストウッド)

見逃していたクリント・イーストウッド監督の『ジャージー・ボーイズ』をチェック。60〜70年代に活躍したニュージャージー出身のヴォーカル・グループ、フォー・シーズンズを描く伝記映画です。イーストウッド監督としては『バード』『J・エドガー』に続く…

『遠すぎた橋』(リチャード・アッテンボロー)

第二次世界大戦後期に行われた連合軍の「マーケット・ガーデン作戦」を描いた戦争大作『遠すぎた橋』(1977年)鑑賞。大昔にTVの吹替洋画劇場で見て以来、久々の再見です。今回は原語版にて。 出演者は超豪華で、ショーン・コネリー、マイケル・ケイン、ジ…

バランスの良い週末

先の土曜日、昼間はBSで録画した『遠すぎた橋』と、見逃していた『ジャージー・ボーイズ』をチェックして、夜は旧友のきゃらはん師と一杯やってきました。最近は体調不良もあってお酒をセーブしていたんですが、久々に遠慮せずたっぷり飲みました。三池の…

『自堕落な凶器』(アリエル・S・ウィンター)

アリエル・S・ウィンター『自堕落な凶器』The Twenty-Year Death読了。文庫上下巻の長編ミステリーで、三つの異なるテイストの中篇から構成されています。しかもそれぞれが異なる作家のパスティーシュ(模倣芸術)となっているという凝った作りの小説です。…

『インサイド・ヘッド』(ピート・ドクター)

ピクサー/ディズニーの新作アニメーション『インサイド・ヘッド』鑑賞。近所のシネコンTOHOシネマズ市川にて。先日も書きましたが、初めて家族3人で見に行った(娘にとっては初めて映画館で見た)記念の映画になりました。 ミネソタの田舎町に住む女の子ラ…

『北海ハイジャック』(アンドリュー・V・マクラグレン)

アンドリュー・V・マクラグレン監督、ロジャー・ムーア主演『北海ハイジャック』(1980年)鑑賞。テレ東「午後のロードショー」で放映された日本語吹替版(ロジャー・ムーア=広川太一郎、アンソニー・パーキンス=野沢那智)にて。その昔TV「ゴールデン洋…

『動物好きに捧げる殺人読本』(パトリシア・ハイスミス)

パトリシア・ハイスミスの短編集『動物好きに捧げる殺人読本』ANIMAL-LOVERS BOOK OF BEASTLY MURDER(1975年)読了。動物を主人公とした短編集という企画もので、軽めのユーモア・ミステリかと思いきや、基本的には何ら変わらぬ暗黒のハイスミス節でありま…

最も古い映画館の記憶は

先の日曜日、家族でピクサー/ディズニーの最新作『インサイド・ヘッド』見てきました。ウチの娘(3歳2ヶ月)にとっては、初めての映画館です。連れて行く前には、暗闇を怖がるんじゃないかとか、途中で飽きて騒ぎ出すんじゃないかとか、いろいろ心配していま…

『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八)

やっと見ました『桐島、部活やめるってよ』。世評の高さと信頼できる友人からのプッシュもあってずっと気にはなっていたのだけれど、やっぱりですね、このタイトルがどうにも引っかかって見る気が起きなかったのですよ。どうしてもちゃんと覚えることが出来…

『デイン家の呪い』(ダシール・ハメット)

ダシール・ハメット『デイン家の呪い』The Dain Curse(1929年)読了。学生時代にハードボイルドの定番作品を読み漁った時期があって、ハメットのほとんどの長編(『血の収穫』『マルタの鷹』『ガラスの鍵』『影なき男』)、創元推理文庫から出ていた短編集…